コロナウイルス感染拡大防止のために発令された緊急事態宣言、一部の地域で食料品が商店の棚から消えたのは一時的なこと、水道やガスなどの生活インフラも止まらなかったので日常生活に大きな支障は出ていません。今回、乗り切れそうだから大丈夫!で済ませるのではなく、次回に起こりえる災害等に備えるための貴重な経験として活かしたいものです。欲を言うなら、備蓄品を増やしつつも食料品等を取り出しやすいように工夫することで、スムーズな調理作業ができるようにできれば毎日の時間短縮にもつながります。
1.農水省が推奨する備蓄の量は3日+α
農水省で推奨する各家庭での備蓄量は「3日分、できることなら1週間分」となっています。
災害やその他の大惨事が起きると、食料の生産が止まる。もしくは、物流が動かないことで、必要な物が店頭に並ばなくなる可能性があります。
つまり、非常事態は食料品が入手しづらくなるので、農水省としても家庭で備蓄することを推奨しているのです。
3日分あれば本当に十分なのか?災害や非常事態の規模によりますが、十分とは言えません。東日本大震災のとき被災地に救援物資が届き始めたのは発生してから8日後。起きる確率は低いとはいえ、家族が1週間以上生活できる食料の備蓄はしておきたいものです。
2.大人1人が1週間生きるのに必要な食料は4㎏以上
食料の供給がストップしたと仮定した場合、1週間分の食料がどれくらいの量になるかを考えてみました。
前提として、家に引き込もった状態でカロリー消費が少なく抑えられる、水道やガスが使えるとして計算します。
大人1人、1日に米2合を食べると仮定すると7日間で14合。1合の重さは約150gなので1週間に2.1㎏必要になります。
副食として、缶詰を食べた場合1食90g、1日270g。7日間で2㎏近くが必要になります。
もちろん、大人2人なら米4キロ、缶詰4キロ。家族が増えれば増えるほど必要な食料は増えることになります。
今回は、米と缶詰で算出しましたが、実際は飽きるので、米の代わりにスパゲティーやアルファ米、副食にカレーやその他お惣菜のレトルトなどを食べることを考えると、多品種の食材を用意することになるので、必要な備蓄の量はさらに増えることになります。
3.非常事態に欠かせない家庭備蓄のハードルを高くしている収納問題
平時の食料品価格は決して高いモノではありません。2万円も出せば4人家族が1週間必要な食材を買いそろえることは簡単です。
問題なのはむしろ保管するスペースの方になります。
自宅が戸建ての方は、庭に小屋を作って収納スペースを増やす。マンションをお持ちの方はベランダに小型の物置を常設して備蓄品を収納することも可能です。しかし、アパートや社宅に暮らす人は気軽に収納スペースを増設することが難しいのが現状です。
そこで、私が取り入れているのがDIY(Do It Yourself)です。
天井ギリギリの高さまでの本棚を作成したときに余った木材の切れ端でキッチンシンク下に細長い棚を設置することを思いつきました。
下段にペットボトルが出し入れできる高さを確保して、棚の上に缶詰や調味料、コーヒーなどを置くことで収納力を50%増やすことができ、使い勝手を3倍高めることができました。
4.空間を使い切る収納術と工夫

塩はフライパンで炒ってから500mlのペットボトルにつめて保存します。塩はサラサラになるので、中で固まらないばかりか、ペットボトルの注ぎ口からふりかけられるので衛生的です。振りかける量を見極めるまでには慣れが必要ですが、指に塩が付かないので指を洗う手間も省くことができます。
お米は2ℓのペットボトルにつめ替えて収納をしています。詰め替えに時間を使うことになりますが、ペットボトルで収納することで棚から出し入れしやすいうえに、虫等の侵入を防ぐことができます。最大のメリットはシンク下の収納スペースを立体的に使うことで収納量を増やせることにあります。
自衛隊の艦艇で勤務していたとき、与えられた狭い空間をどのように使えば快適になるのか?常に考えていたので、このようなデッドスペースの利用ができるようになったのだと思います。
まとめ
非常事態に備えて、備蓄品を準備しておくことはそれなりのスペースが必要になりますが、DIYで棚などを作成することで、収納量と使い勝手を高めることができます。
また、作成した棚は引っ越しの際に取り外し、引っ越し先で再利用することで無駄になりません。
※退去時の修繕事項に入らないようになるべく小さなネジで棚をとめるようにしてください
