非常食の定番「缶詰」。常温で長期間の保存が可能なうえに、電気やガスが使えない状況でも開封するだけで食事ができるのでとっても助かります。
本日は我が家で実践している非常食の備蓄についてお伝えします。
1.3日ではなく7日分の備蓄をしておきたい非常食
あなたの家庭では、食料の備蓄をどれくらいしていますか?
農林水産省が推奨している家庭備蓄の量が3日なので「3日分」と答える人が多いのではないでしょうか?
しかし、東日本大震災のとき被災地に食糧が届けられたのは1週間後でした。なぜなら、初度の1週間、人命救助が優先されたからです。
では、1週間後に全ての被災地に物資が届けられたのか?というとそんなこともなく、道路や橋が寸断された、アクセスが困難なエリアへの供給は遅くなりました。
大災害の教訓を糧に各家庭での備蓄意識も高まり、以前に比べると備蓄量は増えていると思いますが、家庭で7日の備蓄をすることは、かなり骨が折れることです。
仮に、非常時、1食170㌘の「さば缶」だけを食べることにしても、1缶の重量228㌘×3食×7日=4788㌘ 家族4人なら19㌔を超えます。
家庭の台所を預かる主婦が通常の食料品を購入したついでに10個の缶詰を購入すると、1回辺り2㌔買い物袋の中身が重たくなります。4人家族が必要とする84個をそろえるのには計9回のついで買いをする必要があるのです。
また、非常食を保管するのにもミカン箱1個半分の容積が必要になります。
つまり、非常時の食事を1食1個の缶詰に制限したとしても4人家族が食べることを考慮すると1週間84個。重さ19㌔を買って帰り、ミカン箱1個半分の保管場所が必要になるのです。

2.非常時こそ避けたい同じメニューの繰り返し
先程は、非常食の全体量を把握するために「さば缶」で1週間分の量を算出しましたが、さすがに、1週間同じメニューだと飽きてきます。被災や非常事態時の厳しい環境での食事は、身体に必要な栄養を摂ること以上に精神的な安定をもたらせてくれます。
私は、近くのスーパーで、1缶100円程度で手に入る「さば缶」や「ツナ缶」ばかりを備蓄していましたが、備蓄量が増えるに従い「スイートコーン」や「カットトマト」「牛肉」「ふかひれスープ」。デザート用の「茹であずき」「桃缶」に加えて「のり」や「オイルサーディン」などの瓶詰も準備しています。
食品を購入しに行ったとき、持てる量に余裕があるとき10~20個の缶詰を購入することを20回繰り返して、300個以上のストックを準備しました。
この備蓄を加速させたのは、家に眠っている商品券を使い切る目的もありました。
信販系や大手百貨店の協会が発行した商品券ですが、大不況後に一部の企業が倒産や廃業すれば、利用できる店舗が減るなど使い勝手が悪くなる可能性があるからです。価値がなくなる可能性がある券を眠らせておくくらいなら、保管に場所をとるが長期保管が可能な食料を備蓄する方が賢いと判断をしました。
商品券を有効利用することは、毎月決まっている食費を増やすことなく非常食を購入することができます。在庫が少なくなった缶詰は1個80~200円、タイミングがよければ、1万円の商品券で100個近くストックが可能です。

3.備蓄食を食材として使うローリングストック
「備蓄倉庫に大量の非常食を入れておいたから大丈夫」とはいいきれません。
非常事態時に、缶詰を開封して食べたら「想像していたよりも味付けが濃かった」「肉の量が少なかった」など使っていないと解らないことも多々あります。
特に気を付けたいのは、食品アレルギーを持っている方です。非常食を食べて体調を崩したときに通院できるかが解らないからです。
そのようなことを防ぐために、月1程度、非常食を使った調理をすることで、おいしく食べる方法や付け合わせで使うモノなどを確認しておきます。
また、開封するのに缶切りが必要なのか?大幅に賞味期限が切れていないかなどを確認するのにも備蓄してある食品を使いながらストックする「ローリングストック」は有効です。
非常時に困らないために、日常生活に非常食を使う習慣を組み込んでおく。無駄のない防災対策になります。
まとめ
非常食として購入したレトルトやアルファ米、調理の手間がかからないからといって小腹が空いた夜中に食べてしまっては、いざというときの備えがなくなるばかりか、蓄える必要のない皮下脂肪を厚くすることにもなります。
備蓄品の管理についても一定のルールを設けて上手なローリングストックを実施してください。
