体重60㌔の人が3.6㍑の水分を失っただけで頭痛やめまいなどの症状に襲われ、6㍑失うと筋肉の痙攣、意識障害、腎不全など重篤な状態に至るそうです。
平時において、重要とは考えていない水も供給が止まると死活問題となります。今回は、非常事態でも慌てない、水の入手の仕方についてお伝えします。
1.人間が1日に必要な飲み水2.5㍑、生活用水50㍑
普通に生活している人が必要とする飲み水は、1日の排出量と同じ2.5㍑。平均的な食事から1.3㍑摂取することができていれば、1.2㍑の水分補給が別途必要です。
飲み水以外にも手や顔を洗う、調理器具や食器洗浄、洗濯など人間らしい生活を送るのに必要な生活用水の量は50㍑。(国連が提唱している数量)
もし、未曾有の災害に遭遇して生活インフラが断たれたら生存に不可欠な生活用水を自分で確保する必要があります。
もちろん、国や自治体は自衛隊に災害派遣を依頼するので、給水支援が実施されることになると思いますが、自分が受け取りに行ける場所で支援が実施される保証はありません。
つまり、普段から数日間分の飲み水を確保しておくことはもちろん、生活用水を得る手段についても考えておくことが大切なのです。
2.工夫次第で生活用水として使える「雨水」「海水」「雪」などの水源
水道以外から生活用水を確保する方法は「井戸」や「湧き水」、「河川」や「雨水」、「海水」や「雪」など様々な方法があります。
自宅に井戸がある。御近所から井戸水を汲ませてもらえる人は水のやりくりはなんとかなります。普段から井戸の持ち主と接点を持ち有効関係を築いておきたいものです。
井戸水が入手できなかったとしても、山の方に行けば湧き水や渓流などが利用できます。生活用水としてであればそのまま活用できますし、フィルターを通すか煮沸すれば安全な飲み水として飲用することも可能です。
トイレを流すための生活用水であれば、雨水や海水でも問題ありません。
山で汲んできた水で洗濯をして、洗濯排水をとっておいてトイレを流すのに使うことで水を効率よく使うこともできます。
日頃から長期間の断水に備えて飲料水を確保しておくことはもちろんですが、生活用水の入手方法や節水についても考えておくと非常事態時の生存率が変わります。

3.被災直後、入手困難となる生存に必要な物資や工具
雨水や河川の水を浄水して飲料水にするのには、フィルターが必要になります。
火で水を煮沸するのには、ガスや薪などの燃料はもちろん煮沸に使う鍋などが必要になります。薪は、落ちている木を使うとしても、薪割りや着火に必要な道具がないと火を起こす作業は大変です。
そもそも、どこに行ったら水が手にいれられるのか?大量に汲んだ水を運ぶ容器は準備できていますか?
非常事態が起きてから店に行っても店自体が閉まっているか、開いていたとしても物資を求める人々でごった返すことになるので、平時から準備しておくことが大切です。
私はYouTubeで、サバイバルに関する動画を200~300本見てジャングルや山で生活する生活の仕方を学びました。その後に、山林で行動するのに必要な「靴」や「手袋」、「ナイフ」「折りたたみ式鋸」「メタルマッチ」等を揃え今年の3月に単身、1週間以上山林で生活をしました。
火を起こす大変さ、食料を見つけても食べるまでに手間がかかること、天気により行動ばかりか生存率が大きく変わることが解りました。
非常事態時に生き残れるかは、食料や水の準備はもちろん、道具の準備とそれを使いこなせる能力で決まります。

4.生命を維持するのに必須、家庭で準備しておきたい「持ち運びソーラーパネル」
災害に見舞われたあと「自分の安否を知らせる」、「自治体の発信する情報を得る」ためにスマートフォンは必須になるはずです。場所によっては直に給水活動が開始される所もあるはずです。情報入手に不可欠な現代のスマホは、斧やナイフよりも生きるのに必要なガジェットといえます。
そんな便利なスマホも電源がなくなれば用をなしません。電源を供給するためにポータブルバッテリーを持っておくだけでなく、持ち運び可能なソーラーパネルを持ってスマホが使える状態をキープしておくことが大切です。

まとめ
家族や友人とキャンプに行って「火を起こし」「水の煮沸」「調理や後片付け」を実際に体験することでこれらの大変さを実感することができます。また、春夏秋冬、各シーズン出かけることで常備するべき装備も見えてくるはずです。
被災後に困らないために家族でキャンプや日帰りバーベキュー、団結を強めるためにも実施してみるのはいかがですか?
