不動産投資を行うメリットは「家賃収入を得ることができる」、「生命保険の代わりになる」、銀行融資を受けることで「資産の拡大がしやすい」、物件が値上がりした場合「売却益を得られる」などについて説明をしてきましたが、もう1つ大きなメリットに「インフレに強い」ことが挙げられます。今回は「不動産投資はインフレに対して抜群に強い」についてお伝えいたします。
1.100円のモノが110円に値上げされたときは10%のインフレ
「インフレとはモノの値段が高くなること」、「デフレとはモノの値段が安くなること」をいいます。
仮に1個300円のハンバーガーが330円に値上げされたときは10%のインフレが起きたことになり、30円値下げされたときは10%のデフレが起きたことになります。
「インフレ率10%って、ハンバーガーが30円高くなるだけでしょ!」と思われる方もいると思いますが、値上がりするモノはハンバーガーだけでなく、家具や自動車、本や交通運賃など全てなのです。
総務省は毎年、消費者物価指数という統計を発表しています。もし、この数値が10%上昇していた場合、天候や相場により大きく値段が変わる生鮮食品やエネルギーなどを除いたモノやサービスが年平均10%高くなったことを表しています。
2.物価が上昇したときは手遅れ、既に目減りしている現預金
「物価が高くなったらモノの購入を買い控える」誰しも考えることだと思います。
ここで考えて欲しいことは、物価が高くなった時、既に自分の貯めた預貯金が目減りしていることについてです。
300万円の預金を持っていた人は、300円のバンバーガーを1万個注文することができました。しかし、10%のインフレでハンバーガーが30円値上がりすると9090個しか注文できなくなります。つまり現金の価値が約10%目減りしたことになるのです。
「物価が1年で10%も上がるワケがない」と考える方がいると思いますが、1975年頃は前年比20%物価が上昇していました。
また、40年間急激な物価上昇が起きていない日本では、年2%物価上昇するような政策がとられています。かりに、2%の物価上昇が10年続いた場合、10年後のモノの値段は22%高くなることになります。
つまり、今、銀行やタンスに入れているおカネは10年後に22%目減りすることになるのです。
3.インフレに強い「きん」のデメリットは利子を生まないこと
物価上昇により現預金が目減りすることが理解できると、目減りしない資産を持っておきたいと考えるようになります。
目減りしない資産として「きん」を思い浮かべる人も多いと思います。何千年も前から広いエリアで多くの人々に欲しがられ流通していた歴史のある「きん」は普遍的な需要があります。私も10年前に、スイス人銀行家達が資産の10%を「きん」に変えていることを知り、購入しておきました。
現在の価値は、昨今の金価格の上昇により倍以上になっています。
しかし、そんな「きん」にもデメリットが存在します。それは、盗難や紛失により失うリスクがあることに加え、持っているだけでは利子を生まないということです。
さらに、純金積み立てで毎月コツコツと買う人は、積み上がる「きん」に対して手数料が高すぎることです。1回の購入金額は高くなりますが持つのであれば小さめのインゴットを購入することが手数料を大幅にカットする秘訣です。
4.インフレに強くて、毎月利益を生みだす「不動産投資」
「不動産投資がインフレに対して抜群に強い」理由は、10倍のインフレが来たとしても、実物資産である不動産の価値はインフレに連動して値上がりする可能性が高いことです。
そのうえ、保管しているだけでは利益を生まない「きん」とは異なり、賃貸に出すことで毎月一定の賃料を得ることができるのです。
もちろん、インフレが起きなかったとしても、土地は目減りしませんし、建物も必要なメンテナンスを実施することで50~70年は利益を生み出してくれます。もちろん、利便性の高い土地であれば、古い建物を壊したのちに再建築することも可能です。
毎年、固定資産税を支払う必要がありますが、国が権利を担保してくれることにもなり、盗まれづらい資産であるともいえます。

5.急激なインフレが起きたときに1番得する不動産投資家
融資を受けて不動産を購入していた場合はさらに大きな利益を手にすることになります。
1億円のビルを1千万円の頭金で購入した場合、9千万円融資を受けることになります。
もし、この年に10倍のインフレが発生したら、不動産の価格が10倍となり、9千万円の借入金は1/10に圧縮されることになります。
急激な物価上昇があった場合、賃貸契約内容にもよりますが、家賃や駐車場などの賃料は見直しが行われます。もちろん、上昇する物価と、支払われる給料、家賃のバランスが釣り合うまでにタイムラグはありますが、1年もあれば適正な価格に修正されることになります。
つまり、10倍のインフレが起きた場合、土地や建物の価値は10倍になり、家賃も10倍になるので借入金は、1/10になるのと同じなのです。
もちろん、銀行金利は次の見直し時期に一気に跳ね上がることになりますが、価値の落ちない不動産を所有している人はインフレで資産を大きく増やすことになるのです。
まとめ
現物資産である不動産を所有している人は、インフレが起きれば資産価値が連動して値上がりする。起きない場合でも毎月賃料を確実に稼ぐことができる。
つまり、立地の良い不動産を融資を受けて購入することができた人はインフレが起きても起きなくても資産を増やすことができるのです。

預金があれば心配ないと思っていましたが、目減りする可能性を知ると、目減りしない資産「不動産投資」の大切さを感じました。
はい、現預金を持つことも大切ですが、おカネに関する知識を持つことはもっと大切なのです。