「銀行に預金をしていれば、利子が付くのでお金が増えている」確かにそのようにみえますが、お金とモノの価格を相対的に考えると実はお金が減っている!
資産が目減りする世の中で資産を減らさせないためにはどうしたらいいのか?資産の何割を投資に回すべきなのか?一緒に考えてみましょう。
1. 値上がりする物価
日本人の個人金融資産において「現金・預金」の占める割合は半分以上。
一見すると悪くない選択にもみえますが、本当にそう思いますか?
たしかに、直近10年の消費者物価指数の値上がりはわずか数%。さらに10年さかのぼっても大して違いはありません。では、物価は上がらないのか?
1938年「あんぱん」1個の値段はわずか5銭。現在の値段は120円。単純計算で240倍上がったことになります。
「あんぱん」の価格だけが特別に高くなったのか?
1946年から商品の小売価格調査がまとめられた消費者物価指数。1950年の物価を1としたとき、現在の価格は8倍以上値上がりしています。
もちろん、70年間ほとんど値上がりしていないモノもありますが、平均すると8倍=1年で約3%値上がってきた計算になります。つまり、安くなるモノがある反面、平均すると物価は確実に値上がりしているのです。
2. 目減りする「現金・預金」
毎年、物価が5%値上がりしているときに、10年間タンス預金してモノを購入しようとしたとき、買えるモノの量は40%近く少なくなっています。
物価上昇5%×10年=約62%
タンス預金100万円×利回り0%×10年=100万円変わらず
では、銀行に預金していた場合はどうなるのでしょうか?
物価が年5%上昇しているときの銀行金利は高めに設定されるはずです。仮に定期預金で3%利子が付く場合
元本×利子3%×10年=約34%
物価上昇5%×10年間=62%-10年間で増えた利子34%=(目減り)28%
10年間で28%資産が目減りすることになるのです。正確にいうなら、銀行預金は利子の約20%を税金として支払う必要があるので、この差はさらに広がることになるのです。
つまり、銀行預金で利子を得ることは、得をしているようにも見えますが、値上がる物価と比較すると、目減りしていることになる。
3.目減りしない資産とは?
自分の資産を減らさないためには、少なくとも毎年値上がる物価を上回る金利を稼ぎ出す必要があります。
つまり、銀行預金にお金を置くのではなく、資産の一部を投資により運用する必要があるのです。
投資といったら、株、FX、商品、貴金属、不動産、仮想通貨など多くの選択肢があります。「どの投資がいい」ということをいうつもりはありませんが、一つ言えることは必ず儲かる案件はないということです。
銀行金利の何十倍~何万倍もの金利を受取れる代わりに、減らすリスクを引受ける必要があるのです。
4.保有資産の何%を投資に回すべきなのか?
保有資産の何%を投資したらいいのかは、個人の家族環境、資産状況により大きく違います。定年を迎えた人が老後の大切な資金として蓄えたお金を多くのリスクにさらしてしまっては取り返しのつかないことになります。
逆に支える家族もいない20代の若者が何もリスクをとらずに0.01%の銀行預金に預けていてはお金を目減りさせるばかりか、大きな機会損失をすることになります。
保有資産の何%を投資に回したらいいかを表す指標があります。
エイジスライド:120-年齢=投資する資産割合
40歳の人なら120-40=80(%)
この数値が必ずしも正しいとは言い切りませんが、自分の投資状況と照らし合わせてみてください。もし、投資している割合がかけ離れていれば修正する必要があります。
投資をしないことも大きなリスクを引き受けていることなのです!
まとめ
1. 平均するとモノの値段は高くなっている
2. 預金をして金利を得ることは、お金が減っていることに他ならない
3. 資産を減らさないためにはリスクと向合い投資によりリターンを得る必要がある
4. エイジスライドを参考に自分の資産配分を見直してみる
投資はリスクをともないますが、上手くコントロールすることができるようになれば本業さえ辞めることも可能になります。真剣に取組めば道は開けるはずです。
