北海道の離島といえば「利尻」「礼文」が有名です。
その次に名前が上がるのが1993年、震度6の地震に見舞われた「奥尻島」。
殆ど無名なのが「焼尻」「天売」の2島です。
しかし、この2島はその世界の人々にとって超有名なことが解りました。
今回は、小樽から稚内まで伸びるオロロンライン(国道)の中間地点、「羽幌(はぼろ)」からフェリーで渡る「焼尻島」一周ツーリングについてお伝えします。
羽幌→焼尻島 フェリー
「羽幌町」から西北西方向25km、日本海に浮かぶ「焼尻島」の外周は12㎞。
ニシン漁の最盛期に6000人いた人口も現在は200人弱。
島の主要産業は、漁業、観光、畜産業。
「焼尻島」に渡るのにはフェリーか高速艇に乗る必要があります。
シーズンにより運行ダイヤ、運賃が頻繁に変わるため事前確認が必須です。
私が訪れた9月2日のフェリーのダイヤは、羽幌発0830、1400の2便。高速艇は運休でした。
船賃は2等乗船券片道1600円、特殊手荷物(原動機付自転車125cc以下)1720円。
乗船日前日に電話でバイクの搭載予約を済ませておきました。
乗船日当時は出港1時間前にターミナルに到着。窓口が開いたら直ぐに手続きを済ませ係員の指示に従い車両甲板に駐輪させたあと船室で横になりました。
1時間の船旅でしたが、前日の天候不良の余波が残っていたため出港後から船酔いと戦う厳しい航海でした。
※35分で到着できる高速艇にバイクを搭載することができません。
高山植物とバードウオッチングの宝庫
「焼尻島」は島の1/3が原生の森であり、雪解けと共に約50種15万本の天然記念物の高山植物や原生花が咲き乱れます。これらの自然林は1983年、国の天然記念物に指定されています。
シーズンになると多くの水鳥が飛来することで世界中のバードウオッチング愛好家が訪れる場所です。
私が訪れた9月上旬は、既に花は枯れ、渡り鳥も飛び去った後でしたが緑豊かな景観を楽しむことができました。
めん羊牧場のサフォークに癒される
焼尻フェリーターミナルに到着後、島一周をスタート。
バイクからの眺めは、かつて訪れた礼文島に似ている印象を受けました。
島で一番目を引いたのは、中央部に広がる牧草地で草をはむ500頭の羊。
傾斜のついた広い牧草地に500頭のサフォーク種が点在する景色はスコットランドのよう。
この島で生産されたサフォークは臭みが少なく肉質がよいためフランス料理の食材として出荷されているそうです。
写真を撮ろうと近付くと逃げてしまう羊達。そんな羊の脚を止める魔法の言葉「メェ~」。この音が耳に入ると彼らは不思議と脚を止めることに気付きました。
日本初の英語教師ラナルド・マクドナルド上陸地
ペリーが浦賀に来航したのは1853年。その5年前、アメリカの捕鯨船員だったラナルド・マクドナルドが上陸した場所が「焼尻島」。「焼尻島」を無人島と思いその後、「利尻島」へ渡り紆余曲折あり幕府に囚われました。
とられている間に英語教師として14人の生徒に英語を教えたことで、幕府はペリーとの交渉に自前の通訳を立てることができたことになります。
それを考えると、ラナルドの功績は大きかったといえます。
ラナルドの上陸地点を示す碑が残されています。
鷹の巣園地展望台
島の西側端にあるのが「鷹の巣園地」展望台です。
標高100mから眺める青い海、その奥に浮かぶ「天売島」がキレイに見渡せる絶景スポットです。
駐車場、トイレ、屋根付きあずまや、が完備されているため、島を2周したあとフェリーの出港時間まで、ここで景色を眺めて過ごしました。
昔、ワシ、タカ類などの巣が多く作られる所だったのでこの地名になったと考えられます。
ハート柄のついた急な坂道
昭和の初期、ニシン景気で活況を呈した「焼尻島」。
羽振りのいい漁業関係者が遊ぶための料亭や飲み屋、映画館があったそうです。歓楽街へ行くときに通過する急な坂道に、現在、ハート柄模様が付けられています。
いつ、何の理由で道路表面に赤や黄色で塗られたハートがマーキングされたのかは分かりませんが、他の場所で同様な物を見ることがないため目を引きました。
本当に傾斜のキツイ道なので雪が降ったあとは車、徒歩での移動は大変だと思います。
離島、上陸前に済ませておきたい準備
焼尻島に来て困ることは、食堂やカフェが閉まっていることです。肌寒くなり温かい物を飲みたくなっても売っているお店がありません。
島唯一の商店に立ち寄っても「ないよ!」。よそ者の来店に露骨に嫌な態度をとります。
焼尻島に渡る前に、お店が開いていない前提で軽食やドリンクを買っておく他に、ある程度の現金の準備。車両で訪れる人は、給油を済ませておく必要があります。
まとめ
悪天候が続いたこで道内一周を取り止めたこと。
安宿で出会ったベテランライダーから聴いた離島情報。
その他、多くの条件が重なったお陰で貴重な経験をすることができました。
この後は、16時のフェリーに乗船してもう一つの離島、「天売島」を目指します。
訪れた時期:2022年9月2日
日本にはまだまだ、知らない素敵な場所がありそうですね。
生方さんの夢(バケットリスト)が実現していっているような^_^気がしました。
リストに書くだけでも違うかもと思いました
フェリーが運行されている離島は5つあります
残り1つも制覇する予定です。