インドの「アムリトサル」からパキスタンの「ラホール」は昔から旅人が通過してきた国境です。
20年前に読んだ旅行記に強い印象を受けて、20年越しに実体験する機会がきました。
現在、インドとパキスタンは停戦中。このルートで越境する人は少ないようです。
インドのビザ取得を依頼した業者から「このルートで出国できるのですか?」と聞かれた他に、パキスタンビザ取得業者に「このルートではパキスタンに入国できません」といわれたくらいです。
今回は、停戦中のインド、パキスタン陸路の越境についてお伝えします。
「アムリトサ」~国境の町「ワガ」までの移動
「アムリトサル」から国境の町「ワガ」までは30㎞。オートリクシャで、1時間で行ける距離です。
問題なのは、国境が開いている時間がハッキリしないことです。検索しても書かれている時間が異なるためどれも信じられない状態です。
仕方なく、ホテルスタッフやオートリクシャドライバー、複数に聞き込みを行い、正しいと思えた答えは「15~16時なら開いている」でした。
私は、前日に国境で国旗降下式を観に行ったついでに、14時に国境に向かう便を抑えてもらいました。料金は200Rs(340円)。昨日の往復料金と同じですが、現地ではこの値段が適正価格のようです。
14時「アムリトサル」中心部出発。15時10分、国境の町「ワガ」到着。
「CHECK POST」と書かれた大きな門に向かうも、そこは車用で「徒歩で超える人は200m離れたあそこだ」とゲートのある方向を指されました。
軍事施設の通用口を潜ると詰所があり軍人2人が暇そうにしていました。
軍人はフレンドリーな対応ではありませんが「昨日観た国旗降下セレモニーとっても素晴らしかった」と伝えると「そうだろうそうだろうと、国境警備隊の素晴らしさを語り始めました」。
この場は、軍人が名前やパスポート番号、通門時間を書き記す入門手続きする場所です。
詰所をでると、ライフルを持った軍人が現れてイミグレーションの建物まで案内してくれます。ライフルに差し込まれているマガジンがスケルトンのため実弾が入っていのが見えました。
基地のある場所は停戦している国と目と鼻の先。この緊張感を写真に残したかったのですが、当然ながら軍人は厳正な態度、撮影はできませんでした。
歩くこと200m。イミグレーションの建物に入ると軍人は去っていきました。
インド出国手続き~パキスタン国境「アタリ」
イミグレーション内は4~5か所のブースが設けられていますが、通過する旅行者は私1人。
出国審査官は、高圧的な態度で事務手続きをこなしますが、特に質問されることはありませんでした。
出国手続きを終えて建物の奥に進むと、青い箱を前に座っている女性に引き留められました。
係員曰く「パキスタンに入国するためにポリオワクチンを接種しないと入国できない」というのです。
「そもそもその話自体本当なのか?」「政府の建物内で詐欺はないか?」とも考えましたが、私は「体の中に化学物質を入れたくない」のでその場をスルーしようとすると本気で引き留めてきます。どうやら本当なようです。
諦めて、接種することにしました。
接種の仕方は、大きな口を開けている間に係員が3滴薬品を落とすだけです。
費用はかかりませんでした。係員にパスポートを渡すと名前を記入して接種証明書(イエローカード)の完成です。
イミグレオフィスをでると軍人にバスに乗る様に促されます。
乗客はニュージーランドから来た20代後半の2人と私、合計3人です。
500~600m先の国旗降下式が行われるスタジアム西側で下車。
昨日、式典で眺めていた道。インドのゲートを潜って国境をまたぎ、34か国目パキスタンに入れたことに大きな達成感を感じた瞬間でした。
パキスタンではゲートに立つ背の高い軍人にパスポートを見せると200m先のイミグレーションに向かうように促されます。
パキスタン入国審査は空気が重苦しい
案内板に沿って進むとイミグレーションがあります。
建物内は照明が落とされて薄暗いうえにピリ着いた空気が流れています。
入国カードと一緒にパスポート、ビザ、ポリオワクチン証明書を提出。
書類に不備がないことが確認されたあとは、「どこを周るのか?」「どこから出国するのか?」「出国するときの航空券を提示しろ」といった質問を受けました。
言葉が伝わらない人が来たら係員は入国を拒否するのか?
そんな疑問が浮かびましたが、不要なトラブルを起こすと時間が無駄なので紳士な態度で受け答えしました。
入国審査に要した時間は1人3~4分でした。
まとめ
予想外のことが多かった国境超え、入国スタンプを押してもらいやっと安堵できました。
スケジュールに余裕を持たせてはありましたが、入国できなければ予約しているホテル代が無駄になる他、パキスタンの滞在日数が削られることになります。
国境超えの難易度が高いので、越境の喜びはひとしおですが、このルートを通る方は、十分な下調べを実施してから挑戦ください。
また、印パ両国のビザの申請は自分でとる、業者に任せるどちらにしても3週間前に取り掛かることをオススメします。
直前の取得はエクスプレスFeeがかかり高くなるほか、間に合わなければ航空券を無駄にすることになります。
この後、パキスタン国境の町「アタリ」。正確にいうとイミグレの裏で実施される国旗降下式を見学したのちパキスタン第2の町「ラホール」に向かいます。
訪問時期:2023年4月
国境を越えるのも大変ですね
普段の生活では、全く経験できないですね
世界観が広がりそうです
旅の醍醐味ですね、
羨ましい限りです
是非、旅の醍醐味を味わってみて下さい。
はい!いつもありがとうございます。