億万長者になる方法

社会全体を非効率にする軽減税率導入のデメリット

「ビール」は10%、「ノンアルコールビール」は8%。
「みりん」は10%、「ポン酢」は8%。じゃあ、「みりん風調味料」はどっちなの?
コンビニでお弁当を購入したら8%、支払いを済ませたあと気が変わってイートインスペースで食べたら10%になるの?
ホテルでルームサービスを頼んだ時は?
今回は、「社会全体を非効率にする軽減税率導入のデメリット」についてお伝えします。

1.混乱を招く軽減税率

レストランで食事をしたときは税率10%、テイクアウトしたときは8%。このことは周知のとおりだと思いますが、下記の税率はどうなるのでしょうか?
① 回転寿司で着席して食べていたが、食べ切れなくて一部を持ち帰りした
② 映画館でポップコーンを買って座席で食べる
③ いちご狩りや梨狩りの入園料
④ ホテルの客室の冷蔵庫を利用した場合

答え
① 購入時に店内で食べるつもりであった場合は10%
② テイクアウト扱いとなり8%
③ 果物を狩るための役務の提供なので10%
④ 食事の提供ではなく、飲食料品を購入したに過ぎないので8%

このように、軽減税率は判断することが難しく、納税者ばかりか事業者も混乱を招く仕組みが含まれています。

2.軽減税率導入の目的とは

軽減税率は、低所得者の税負担を軽減するための措置です。
所得税は、所得の高い世帯が多く支払うのに対して、消費税は所得に関係なくモノやサービスを利用したことに対して課税されます。
年収1000万円の人と年収300万円の家族の食費が同じ10万円の場合、税率10%なら月1万円支払うことになります。
つまり、高額所得者と低所得者の税額が同じ=低所得者の負担率が高くなることになります。

生活に必需な食料品の税率を8%に据置くことで、全ての人の税負担を緩和する!これが、軽減税率の目的になります。

3. 消費税10%は高いのか?

日本に消費税が導入されたのは1989年。日本同様に消費税がある国は世界100か国以上。税率が1番高のはハンガリー27%、2番アイスランド25.5%、3番スウェーデン25%。
これらの国と比較したら、日本の消費税率は低くいように見えます。しかし、高いか安いかの比較をするのには、国に納める所得税や社会保険料を加味したうえで、受け取る年金や医療費、利用するインフラの利便性などを考える必要があります。

10月に初めて日本に導入された軽減税率ですが、世界50か国以上の国が既に導入しています。フランスでは標準税率19.6%、軽減税率7%、5.5%、2.1%、非課税、といったように、対象品目により税率が4段階も変わる国もあります。

4.税の3原則に当てはまらない?判りづらい複数税率

増税後9カ月間は、キャッシュレスポイント還元が行われます。
消費者としては、嬉しいことですが、ポイント還元されることで5種類の実質税負担率が存在することになります。

       中小企業 チェーン店 大企業
軽減税率対象   3%   6%    8%
対象外      5%   8%    10%

同じ商品でも利用したお店により還元されるポイントが違う。同じ店内でも商品により課税率が異なる。つまり、定価を管理するお店も大変、利用者もわかりづらい=市場が混乱することになります。
ある、税理士の意見によると『今回の軽減税率は税の3原則である「公平」「簡素」「中立」から逸脱しているので違法だ!』という意見もあるくらいです。

社会のルールを複雑にすることは、準備する企業は経費を使い対応することになる。利用者も判りづらく理解できていないうえに、モノの値段が上がるので支出を削る。
結果:消費を控える→従業員の給料が上がらない→さらに財布の紐が固くなる→税収が減る→景気が悪化する。こんなスパイラルに陥るのです。

5.結局、誰も得しない制度

「何でこんなに判りづらいルールなの?」と、国民の心中は穏やかでないと思います。
元公務員だった私が思うに、今回の制度改正は、多くの法律や条例と照らし合わせたうえに、業界や政治家からの要望を忖度して大変な思いをして関係省庁は決めたのだと思います。

私が勿体ないと思うのは、日本の頭脳をこのような不合理なことを決めることに使った労力と時間です。また、彼らの決めたルールを元に各小売店は軽減税率対応レジの導入、補助金申請、社員教育、値札の入替えなど導入に向け全国で何万人という人が時間とコストを使ったことです。そして、最後に消費者が買い物するとき、あれこれと迷う結果、日本の消費が減速するということです。

まとめ

1. 軽減税率が適用なのか?判断に困るケースが多々存在する
2. 生活に必需な食料品の税率を8%に据置くことで低所得者の税負担を軽減
3. 100か国以上の国が消費税を導入している。日本より高い税率の国はあるが、税率を比較するのには、所得税や社会保険料などを総合して比較する必要がある
4. 複数税率は『税の3原則である「公平」「簡素」「中立」から逸脱している』可能性がある
5. 日本の頭脳をこのような不合理なことに使ってしまったことは国損である
 
消費税率が変わったことは、確実に生活に影響を与えることです。「10月から2%多く支払えばいい」のではなく、それに対して打てる対策を考えることが大切です。
情報弱者にならないようにしっかりと理論武装しましょう!

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生方正(うぶかた ただし) 明治大学客員研究員。 高校卒業後に海上自衛隊に入隊。 海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。 撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。 勤務の傍ら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行い、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資等を実施することで億の資産を築く。  入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」をすべて達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。 朝日新聞社Webメディア「telling」にて『ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール』を連載中。 オンライン授業でお金に関する授業を担当中。 会員数900万人 ママ向けメディア「ママスタセレクト」では、生活コスト削減コンサルタントとして節約情報を配信中。 テレビ出演:AbemaTV「AbemaPrime」、BS朝日「南極日和」 ラジオ出演:NHK第1「小藪とみちょぱのとりしらベイビー」他 多数 ポットキャスト:「海外ブラックロード」「スタジオスモーキー」他 多数 掲載:「日刊ゲンダイ」「マネー現代」「アゴラ」「AERA」他 多数