北海道の約4割を占める道東エリアは、沿岸部内陸部共に多くの観光地があります。
2023年夏、酷暑の東京を離れて愛車(ハンターカブ)で周ってきました。
今回は、道東の内陸部で印象に残った「硫黄山」と「摩周湖」の魅力についてお伝えします。
硫黄山、地球の息吹を感じる
知床半島の付け根「斜里」から「弟子屈町」に向かう途中に湯けむりが立ち登るただならぬ気配を醸し出す山があります。
地図上の名前は「アトサヌプリ」。
聞き慣れない言葉ですが、アイヌ語で「裸の山」という意味です。
標高512mの低山ですが、火山の影響で山頂付近に樹木は自生していません。
無数の噴気孔から白煙が立ち昇り、地表は黄色や乳白色の硫黄で覆われています。
匂いと熱さを我慢して、ゴボゴボと音をたてる熱泉に近づくと地球の息吹が感じられます。
都市からほど遠いこの地が繁栄したのは19世紀後半~20世紀初頭。
マッチや火薬、接着剤の原料となる硫黄を採掘するために多くの労働者が集まりました。
鉱物を精錬所に運ぶのに鉄道を引いたことを考えると、相当な産出量があったことが伺い知れます。
日露戦争後の北海道が舞台の漫画『ゴールデンカムイ』の作中で受刑者が採掘所で労働するシーンがありますが、あれは硫黄山のことだと思います。
このような歴史的背景があって、現在の釧路鉄道の礎が築かれた他に周辺経済が活性化されると同時に全国に硫黄が供給されることで人々の暮らしが豊かになっていったことが分かります。
火山が創りだした異世界と豊かな温泉文化を楽しめる硫黄山は道東を巡るうえで外せないホットスポットです。
摩周湖、神秘的な景色が観られるかは霧しだい
東内陸部の外せない観光地「硫黄山」の駐車料金は2輪200円、乗用車500円。
駐車券を見ると、摩周湖第一展望台の共通券であることが分かりました。
硫黄山から摩周湖第1展望台までの距離は10㎞足らず。
北海道で1~2を争う有名な湖まですぐそこで、駐車料金もかからないのなら足を延ばさないのは損と思いバイクを走らせました。
阿寒国立公園に位置する「摩周湖」は、湖畔に広がる雄大な自然、透明度の高い湖水が織りなす景色が有名ですが、同時に「霧の摩周湖」という異名を持ちます。
バイクを走らせること10分。第1展望台に到着する前から周辺は霧に包まれて視界は40~50m。展望デッキに登っても肝心な景色は観られません。
訪れる時期によって多少の違いはあると思いますが、ぽっと立ち寄ってキレイな景色を観られることは稀なようです。
であるからこそ、霧が晴れる僅かなタイミングに映像に収めた画像が貴重で美しいモノになるのです。
ポスター等に写る景色は、新緑の樹木に囲まれる春、紅葉が湖岸を彩る秋、雪景色が幻想的な冬。四季ごとに異なる風景が描かれています。
「美しい景色が観られたらラッキー」の心構えで足を延ばしてみては如何でしょうか?
まとめ
「硫黄山」「摩周湖」共通駐車券の有効期間は2日間。
道東の内陸部を通るときは絶対に立ち寄りたい観光地です。
更に、このエリアの西には「屈斜路湖」があり、白鳥を眺めながら入浴できる無料露天風呂もあります。こちらに関しては次回お伝え致します。
摩周湖いいですね、北海道へ行った際はぜひ行ってみたいです
是非、立ち寄ってご自身の目で!