西ベンガル州の州首コルカタの都市圏人口は1500万人。
世界19位に入るメガシティですが、人口密度で比較すると世界屈指の過密都市です。
今回はメガシティ、コルカタ市内の移動、公共交通機関5選をお伝えします。
コルカタ メトロ(地下鉄)
インドで最初に地下鉄が開通したのはコルカタ。
1984年にブルーラインの運行が始まりました。
その後、2020年代にグリーン、パープル路線が開通した現在は総延長46.96km、40駅が都市圏をカバーしています。
インドのメトロといっても、日本の地下鉄と仕組みは同じです。
チケット売り場で行先を告げて料金を渡してトークンを受取りとる。
トークンを改札口にタッチさせてゲートが開いたらホームに移動。
下車したあと、トークンを改札の投入口に入れてゲートを通過するだけです。
メトロで移動するメリットは下記の通り
・渋滞がないので目的地に時間通りに移動できる
・路線、時間帯にもよるが、1時間に5本程度運行されている
・炎天下の中歩くことを避けられる
・5㎞まで10Rp、運賃が安価なうえに料金を誤魔化されない
・改札の前にセキュリティーが設置されているため、安全に乗車できる
車内が匂う、車両やホームが汚れている、ホームと車両に段差があるなど、クオリティは劣りますが、運賃が驚くほど安いので私は積極的に利用していました。
また、チケットオフィスは、お釣りを準備しているので、500Rp紙幣で支払って細かいお釣りを受取れる貴重な場所です。
高額紙幣でモノを買えるお店が少ないインドでは貴重な場所です。
※駅構内で唾を吐くと500Rpの罰金が科せられます。
インド 路線バス(市バス)
コルカタ市内を縦横無尽に行き交っている交通機関、路線バス。
台数が多いので、使いこなせると、とっても便利ですが行き先がベンガル語で表記されているため旅行者が使うのはハードルが高いです。
しかし、Googleマップを拡大するとバス停の場所が分かるため、目的地周辺にバスが運行されていることは判断できます。
大通りでバス待ちしている人にたずねれば、乗るバスを教えてくれる人もいます。
様々な経路のバスが運行されているため適切なバスに乗るのは難しくても、行きたい方向のバスに乗車できれば目的地近くまで移動することは可能です。
バスの乗車口付近、左側は女性シート(Ladies)、右側は身体障害者(Handicap)、高齢者優先席(SR.CITIZEN)です。
乗降口は開けっ放し。
乗務員はステップからバス待ちする人々に行先を伝え、走行中に乗客から料金回収をします。
渋滞する道路を荒い運転で進んでいくので車内は意外に揺れますが、とってもコスパの高い乗り物です。
路線バスを使うメリットは下記の通り
・朝から晩までひっきりなしに運行されている
・5㎞以内の運賃は10Rp
・バス停でないところでも乗車、下車可能
・インドの方々の生の姿を見ることができる
外国人が乗車すると、乗客に行動を注視されます。
もちろん、ガン見されるわけではありませんが、ローカルの人々は外国人の挙動が気にかかるのでしょう。
運転手の助手席付近に「FIRST AID BOX」と白地に赤文字で書かれた棚があるバスを見にしました。
本当に「救急救命キットが入っていたのか?」いまだに気になります。
オートリキシャ(トゥクトゥク)
メトロ、路線バスは走行する経路も終点も決まっています。
それ以外の場所、乗り継ぎが必要な場所に行くときに使いたいのがオートリキシャです。
3輪バイクを最大9人乗れるボディーを付けた乗物です。
チャーターして目的地に向かうことも、複数人で乗り合って同じ方面に移動することもできます。
私は宿泊していたホテルから4㎞離れたスラムに向かう時に50Rpで利用しました。
帰路は、ホテルから1㎞離れた大通りで下車したので4人乗合って20Rp。
外国人が利用するカフェオーナーにあれこれ質問したついでに、オートリキシャの相場を聞いていたのでローカル料金で移動できました。
乗る前、ドライバーと交渉するのが面倒ですが、相場を知り、堂々と交渉すれば大きくボラれることはありません。
話が通じないドライバーに当たった場合は別の車両に交渉するだけです。
オートリキシャは町の至る所で見かけ、簡単に捕まえることができます。
オートリキシャを使うメリットは下記の通り
・バスや地下鉄で行けない所にコスパよく移動できる
・複数人、大きな荷物を持っての移動が可能
・短時間の用事であればドライバーを待たせておくことができる
・小回りが利くので、移動時間を短縮できる
インド名物リキシャ(人力車)
リキシャの語源は「人力車」。
インドで「人」が取れて「力車(リキシャ)」となりました。
つまり、明治時代に日本から輸入された乗物が使われだした。
国産品が生産されるようになり全土に普及したのです。
電車、地下鉄、バス、乗用車と公共交通機関が進歩した現在、リキシャは「渋滞を作り出す非効率な乗物」に見えます。
現在は、リキシャが走れる区域も定められているようで、細い道で商品や建築資材を輸送する光景を見かけます。
全力で走っても時速10㎞しかでないことを考えると、地元の方の利用は少数、主要な利用者は観光客。
車より高い目線から町をゆっくりと眺めたい方に向けた乗り物です。
移動スピードが遅いため、写真の撮りたい場所で止めてもらうことも簡単です。
インドに来た記念に1度、乗車するのもいいと思いますが、乗る前に料金交渉をしっかり行う必要があります。
ボート(渡し船)
コルカタの都市機能はフーグリー川の東側に集中しています。
旅行者が川を渡り、西側に行く機会は、「ハウラー駅」に行くときぐらいです。
「ハウラー駅」は、世界乗降者数第9位。
インド最大の駅なので鉄道旅行する方は寄る機会が高い場所です。
私もバナラシに移動するときに使わせてもらいました。
コルカタ中心部から「ハウラー駅」に移動するときは、全長705mの「ハウラー橋」を渡りますが、渡し船でも行くことができます。
ハウラー駅の最寄りの船着き場は「ハウラー・フェリーターミナル」。
対岸には複数のフェリー乗り場があり、1時間に5本程度ピストン運行されています。
私が利用した渡し船はアバンダント・パーク船着き場から出港でした。
チケット窓口で「ハウラー」といえばバーコードの印字されたレシートの様な券を渡されます。
料金は片道6Rp。
ボート乗り場へ続く一本道の途中に、改札機の様な機械が設置されていて、バーコードを読み込ませて通過します。
「ハウラー・フェリーターミナル」までの所要時間は10分、1㎞の船旅です。
渡し船でハウラー駅に行くメリットは下記の通り
・車両とは違う目線で橋や駅を眺められる
・風を感じながら旅情を味わえる
・多くの旅行者とは異なる移動手段で駅に行ける
渡し舟の運行は、平日0800~1950、土曜0800~1920。
日曜日の運航表が見当たらなかったことを考えると運休の可能性が高いため利用される方は事前確認してください。
フェリー乗り場の場所は下記になります。
まとめ
交通機関をつかいこなせるようになると、行動範囲がぐっと広がり効率的に観光できるようになります。
また、Uberを始めとするライドシェアアプリが普及したことでタクシーが使いやすくなりました。
世界的にインドのタクシーは1000円当たりの移動距離が最長ですが、貧乏旅行者が乗るのには高い乗物です。
旅をより長く続けたい、予算を抑えたい旅行者は、タクシー以外の公共交通機関を上手に使いこなして快適な旅を楽しんで下さい。
次回は、複雑怪奇「コルカタ1番の見どころ『混沌と多様性に満ちあふれた雑踏』」につていお伝えします。
訪問時期:2024年1月
1Rp=1.8円