インド第3の都市コルカタは、1911年までインドの首都だった場所です。
イギリス統治下時代に作られた「ビクトリアモニュメント」「セントポール寺院」。
ヒンズー教徒の「カーリー寺院」「ビルラー寺院」、ジャイナ教の「パレシュナート寺院」など、宗教や民族が混ざり合う土地柄様々な宗教施設が点在する場所です。
有名観光地が多く見ごたえあるのですが、大気が汚染されているため空は真っ白。
背景に青空が入らないので写真映えしないのがとっても残念でした。
そんな物足りなさを補ってくれたのは、町の雑踏でした。
歩道に住居スペースを作って暮らす路上生活者家族。
路地で火を起こして数百人分の料理を作る料理屋。
路上で魚や鳥をさばいて、はかり売りする商人。
路肩の水道を豪快に使って水浴びする人々など。
日本はもちろん、他国でも目にすることのないエネルギッシュなインド人の生き様を見ることができました。
今回は、「私がコルカタ市内の路上で目にして驚いたモノ」をお伝えします。
インド基準の衛生状態で魚をさばく、路上魚市場
5日間の滞在で、もっとも興味深かった場所は、旅行者に人気の「サダル・ストリート」の北300m、平行に走る「マーケット・ストリート」の路上魚市場です。
通りの一角に10軒くらいの魚屋が店を広げて、客の注文を受けて次々に魚をさばいて、はかり売りをしています。
特に印象深かったのは、刃が台に取り付けられている大きな包丁で、バリバリと音を立てながら魚を真っ二つに処理する様です。
刃を動かすのではなくて、魚を動かして押し切るやり方です。
巨大な刃はカマの様な角度が付いていて、曲がった刃で鱗も落とせます。
インド以外で見ることない特殊なナイフを使った魚捌きが見られる路上魚市場は絶対に見て欲しい場所です。
私の訪れたのは気温の低い1月でした。
暑さ厳しい6~9月も日差しを遮ることなく炎天下の中で捌いているのか?
魚の鮮度を下げないために何か工夫しているのか?
その辺りがとっても気にかかりましたが、今となっては後の祭りです。
是非、このブログを見て訪れた方は、コメント欄に状況を共有して頂けると助かります。
インド名物、路上鶏市場
「サダル・ストリート」から1ブロック北「リンゼイ・ストリート」付近に鶏市場が開かれます。
20羽以上の生きた鶏が入れられた竹籠が路上に並べられ、客が気に入った鶏を数羽ずつ買っていきます。
客のリクエスによっては、売主が毛をむしって、道の端で鶏を絞めて解体します。
私が通りかかったのは朝9時頃でしたが、日の出前5時くらいが一番賑わっているのだとか。
サダルストリートで行われる路上調理
「サダル・ストリート」中央部、50~60m北の路上で見かけたのは、金属製の大なべで調理する5人の男達。
学校給食のおかずを入れる寸胴鍋の3倍以上大きな鍋を14個並べて加熱調理しています。
気温の低い1月は路上のあっちこっちで焚火して暖をとる光景を見ますが、ここまで本格的な焚火をしていたのはここだけです。
作る量、作業員の数からして相当数の食事を準備していることは分かりますが、この食材がどこに提供されるのかまでは聞くことができませんでした。
路上生活者のたくましさ
コルカタのメトロ(地下鉄)「チャンドニ チョウク駅」東300mの大きな交差点で暮らす、路上生活者に度肝を抜かれました。
家族で焚火をしながら暖をとり、ご飯を炊いていました。
お米のストックや身の回り品を歩道に積み上げて、自分の土地の様に振舞っています。
極めつけは、歩道と車道を分けるフェンスに大量の洗濯物を干しています。
家族4~5人の洗濯物の量としては多すぎるので、クリーニングで生計をたてているのかもしれませんが、排気ガスが舞う横で生活及び洗濯物を乾かすタフメンタルに脱帽でした。
この環境でも前向きに生らきれるインド人のたくましさと、歩道の占有をゆずるインド人の大らかさ。
大きな民族性の違いを感じられる場所です。
インド式、路上水浴び・洗濯
カルカッタの大通りから一本入った路地には公共の水道が設置されていて多くの人が水浴びをしています。
1月の最低気温13℃。そんなことは気にもせず朝から気持ちよさそうに石鹸で身体を洗い、余裕がある人は洗濯までしています。
町の至る所に公共の水道が設置されていて付近の飲食店が皿洗い用の水。
タクシー運転手が横付けして洗車、といったように、自由に使っています。
幸いにも、これらの水は無料で使うことができるようですが、栓が設置されていないで、常時大量の水が流れっぱなしの所がたくさんありました。
無料で使えるのはありがたいが、同時に大量の税金を垂れ流しているいることになります。
コルカタにあるスラム【パークサーカス駅】
コルカタ滞在中、「サダル・ストリート」にある旅行者向けカフェに1日2回顔をだしてマスターに色々な質問しました。
街歩きが楽しくなった私は危険の少ないスラムの様な場所はないかたずねて、返って来た答えが「パークサーカス」でした。
「サダル・ストリート」から南東方向4㎞、オートリキシャで20分の場所にあるインド国鉄「パークサーカス駅」周辺の雑踏です。
貴重品や余分な荷物をホテルに置き、最低限の現金とスマホだけ持って訪れました。
中心部と異なり建物も店も古く痛んでいる所が目立つばかりか舗装が剝がれている道が目立ちます。
線路、道に大量のゴミが溢れ、至るところで立小便が行われています。
明らかに治安も衛生状態も劣るエリアですが、商売人も通行人もよそ者を排除するような行動は見受けられませんでした。
むしろ、スマホを向けて照れている方が多かった様に思います。
カルカッタの市内の路上から一歩踏み込んだインド人の生活を見たい方は訪れる価値のある場所です。
訪れるときは事前の情報収集、貴重品を所持しない、身軽な恰好で臨んで下さい。
まとめ
有名観光地も周りましたが、それ以上に心ワクワクしたのが、路上でたくましく生きるインド人の生き様でした。
コルカタの都市圏人口は1500万人。
世界19位のメガ都市です。
大量の路上生活者が住んでいうということは、毎日、路上で数人が息を引き取ることになります。
この場合、警察が周辺の聞き取り調査を実施して、本人の宗教を確認したあと、ヒンズー教徒は火葬場で焼却したあとに灰を川に流す。
イスラム教徒は土葬されるそうです。
税金で費用は賄われるそうです。
次回は、コルカタ~バナラシ、寝台列車の旅をお伝えします。
訪問時期:2024年1月
1Rp=1.8円