10年以上、入出金していない預金口座のことを「休眠預金」といいます。
あなたや、あなたの家族が所有している口座に該当するものはありませんか?
1.休眠口座ができる理由
社会人になると「給料受取りのため」、「住宅ローンを組むため」など、複数の銀行口座を開設することになります。
私も自衛隊に入隊し始めの2年間で、横須賀→広島→青森→横須賀と勤務地が変わり、その都度ATM手数料節約のために口座を開設しました。
しかし、その後は神奈川と千葉県内で勤務していたので、広島や青森で開設した口座を利用する機会がなくなり、現在は休眠預金となっています。
もちろん、ATMで出金できる金額については避難させてあるので、残金は数百円だけですが‥‥。
私のような理由の他にも休眠預金ができる理由はたくさんあります。
・通帳やキャッシュカードを紛失させて放置している。
・銀行が統廃合されたことにより、どこの銀行に行ったらいいのかが判らない。
・故人が銀行口座の存在を相続人に伝えていないので口座の存在を知らない。
・認知症のため貯蓄した口座の存在を思い出せない。
諸々の理由により、毎年1000万口座が休眠預金となり、その総額は1200億円になると金融庁は試算しています。
2.休眠預金は何に使われる?
2018年に定められた「休眠預金等活用法」により2009年1月1日から10年以上、取引がない預金は社会(民間公益活動)に還元されることになりました。
民間公益活動とは、子供及び若者の支援にかかわる活動、日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者への支援、地域活性化等への支援等をさします。
つまり、「お金が眠っていることは経済にとって好ましくない」、「社会をよくすることに使えば皆ハッピーでしょ?」ということです。
学生の頃、地元で作った地銀に数千円の休眠預金があったとします。それを取り戻すのに、地元まで行ったら交通費だけで数万円かかってしまいます。時間と交通費、手間を考えたら休眠預金あつかいもやむなしですが、この金額が数百万円だったら判断は大きく変わってくることになります。

3.どう対策すればいいの
ネットバンキングの導入により、銀行の営業時間に関係なく夜中でも送金や振替えができる時代になりました。
つまり、自分の使い勝手のいい銀行口座以外の口座を持つ必要がなくなったばかりか、不必要な口座をもつことが不利益になる時代になったということです。
月4回以上ATMの利用手数料が無料になる口座さえ持っていれば、他の銀行口座を開設する必要性は限りなく0に近づくということです。
もし、使い道がない口座に心当たりがある場合は早目に口座を閉じておくことをおすすめします。それをすることにより、口座を凍結されるリスクがなくなるうえに、眠っている資金を稼働している口座に移すことでお金が生かされるからです。
自分の口座が休眠預金になっていたとしても取り返すことは可能です。
通帳と登録印持参で取引銀行で手続きすれば返金されます。
ただし、少ない残金のために不用意に動いてしまっては、経費倒れになりますので、口座に眠る金額を考慮してから動くことが得策です。
まとめ
1. 10年間放置されている銀行口座の数は1000万口座
2. 休眠預金は民間公益活動の財源となる
3. 不要な口座は作らない&解約する
残高照会は、利用に当たらないと判断する金融機関もあるようです。
ルールは定期的に変更されるものです。定期的にお金に関する知識を更新していくとともに、資産配分を見直すことが一番の資産防衛策です。
