ロバート・キヨサキの著作「金持ち父さん貧乏父さん」を読まれたことがある方は多いと思います。
この本の中で、働いても、働いても、資産が貯まらない様子を回し車の中で懸命に走るネズミにたとえ「ラットレース」と呼んでいます。
1.ラットレースという名のお金の罠
「自衛隊に入るとお金が貯まる」そんな話を聞いたことがあると思います。
時間外に働いても手当てが付かないため、基本給が高く設定されているうえに、入隊後の一定期間、食事が無料なうえに居住費も光熱費もかからないからです。
もちろん、訓練や当直があるので外出できる日数も大幅に制限されています。
つまり、自衛官は「給料が高い」、「生活コストは低い」、「お金を使える機会が少ない」ので、貯金ができるというロジックになるのです。
では、実際はどうだったかというと、外出すると賭博所に入り浸り、夜は居酒屋経由のキャバクラ通い。アコムや武富士からキャッシングしてでも遊びに専念する、宵越しの銭を残さない隊員を多く見てきました。
もちろん、人が稼いだ給料の使い方に、とやかく言うつもりはありません。稼いだ金を全て使い来月の給料を待つ、国のGDP拡大に貢献する立派な生き方とも言えますが、本人のためにも未来の日本のためにもなっていない気がします。
彼らは生活を改めない限り、この罠の中で一生働き続けることになります。もちろ、上司の命令に逆うことなく自分を犠牲にして組織に隷属する人生を過ごすことになるのです。
2.ラットレースから抜け出すための3つの方法
ラットレースから抜け出すには、次の3つの方法があります。
① 自分が生涯支出する金額以上のお金を貯める
② 生活するのに困らない、労働収入以外の収入がある
③ 労働収入以外の収入がそれなりにあり、それを補えるだけの貯金がある
つまり、ラットレースから抜け出すには、必要なお金を労働から得るのではなく、殆ど手のかからない権利収入に切り替える必要があるのです。
生活コストを下げることは、生涯に必要な資金を減らすことになります。しかし、削り過ぎれば住環境が悪くなったり、利便性が落ちて不自由な生活を強いられます。
給料により生涯必要な資金を稼ぐには、仕事に順応する能力とストレスに耐えぬく精神力が必要になります。役職が高くなり給料があがっても、同僚に釣られることなく今まで通りの生活レベルを維持するのです。
「ボーナスがでたから」「昇給したら飲みに行こうゼ!」よく耳にする会話ですが、懐が温かくなったから飲みに行くのではなく、飲みに行くことが人生にとってプラスになると思うから時間とお金をそこに投下するのです。
3.投資やサイドビジネスを始めるのに必要なモノとは?
会社からしっかりと給料を稼ぎ続け、生活コストを下げたままでラットレースから抜け出すのには20~30年の年月が必要になるはずです。達成までの期間が長すぎるので特別な強い思いがなければ普通は挫折します。
では、その長過ぎる期間をどう縮めるのか?
ズバリ言うと、サイドビジネスか投資の力を使うしかありません。どちらにしろ、コンスタントな収入が入るまでに勉強と情報収集に多くの時間を使う必要があるうえ、内容によっては大きな金銭的リスクをとる必要があるります。
もちろん、音楽的、文学的、対人コミュニケーション、身体能力など突出した才能を持っていれば投資から収入を得る選択肢を選ぶ必要はありませんが、この方法で自由を掴める確率は投資で勝ち残るよりも少ないはずです。
凡人がラットレースから抜け出すためには、支出を切り詰める強い精神力と、会社で働きながら空いた時間に投資やビジネスに取り組む強い意志、さらにこの2つのことを継続する力が必要なのです。
まとめ
1. 給料が高い人=貯金ができるとは限らない
2. ラットレースを抜け出す方法は多数存在する
3. 強い志を継続させることさえできればラット抜けは可能
宵越しの銭を残すことなく過ごしている人と、貯蓄を心がけると共に資産を増やすことに時間を使ってきた人の差は、30年で「億」を超えます。
若い頃は金遣いの荒い奴が輝いて見えたこともありました。しかし、人間は時とともに年をとるものです。早い時期に自分の人生を長期的視点で考え、どんな手を打てばいいのか?このように考えることができればラットレースを抜けられるはずです。
