100年以上前に造られた鉄橋、しかも、その高さは100m以上。
いくらスピードを落として通過するとはいえ・・・。
今回は、ミヤンマー北部にある世界で2番目に高い「ゴッティ鉄橋」についてお伝えします。
世界で2番目に高い鉄橋を空中散歩
ゴッティ鉄橋はマンダレーの東70㎞、「ピン・ウー・ルウィン」（Pyin Oo Lwin）と、さらに東の町「シーポー」（HIS PAW）の間にあります。
鉄橋の全長は689m、高さ約102m。
熱帯の森の上を通過するイメージです。
ゴッティ鉄橋が建設されたのは1903年。
この地を統治していたイギリスにより造られました。
それから117年、今日も乗客と多くの貨物、物流の要（かなめ）として機能しています。
前日に切符を購入できないミャンマー鉄道
マンダレーからゴッティ鉄橋に向かう列車は1日1便、発車時間は午前4時。
前日に切符を買いに行ったところ「午前3時に窓口で発売される！」と、一蹴りされました。
つまり、前日の購入はできないようす。
仕方ないので、午前3時にホテルをチェックアウトして、チャーターしておいたバイクタクシーに乗り3時10分にマンダレー駅に到着。
2階の窓口を訪れるも、係員が到着したばかりで準備中。
マンダレー駅チケット売り場（撮影：生方正）
3時15分窓口が開き、アッパークラスのチケットを注文したところ、「アッパークラスのチケットは向こうだ！」と10m先を指します。
「だったら、売り場を英語で判るように表記しておいて欲しい！」と思いながらも、気持ちと窓口を変えてシーポー行のチケットを注文。
アッパークラスの切符は4000チャット（320円）約80㎞の距離なに‥‥ミャンマー万歳！
チケットオフィス（撮影：生方正）※チケットを購入するときにパスポートを提示する必要あり
※チケット購入の苦労話は人気旅行作家 さくら剛さんのポッドキャスト：さくら通信 第２０６回放送「マンダレー上陸」をご聴衆ください。
待望のミャンマー鉄道、待望のアッパークラス
乗り場は4番線。
標識は鳩の糞まみれ！
徳を積むために生き物に餌を上げる人をよく見かけますが、鉄道利用者ばかりか、掃除をする人を困らせることをしている気がします。
鳩の糞にまみれた標識（撮影：生方正）1階のプラットフォームは毛布を敷いて熟睡している人が数十名。
ミャンマー人のたくましさ、鉄道職員の大らかな心に脱帽。
プラットホームで夜を明かす人々（撮影：生方正）午前3時29分プラットフォームに列車が到着。待望のミャンマー鉄道に初乗車。
意外にスタイリッシュな列車（撮影：生方正）アッパークラスはシートが広くスプリングが効いていて乗り心地は上々。
ミャンマー鉄道アッパークラス（撮影：生方正）安全の基準が低いミャンマークオリティは大丈夫？
4時15分頃、電車の激しい揺れで目を覚ます。
不覚にも出発は寝落ちしていました。
時速30㎞程度のスピードなのに、場所によっては激しい揺れが襲う。
しかも、寒い！なぜなら、窓が開いた状態なので、風が車内を吹き抜けます。
重い金属製の網を上げて窓を下しても、自分の横を閉めただけでは大して変わらない。
なぜなら、殆どの乗客が窓ガラスを閉めないから。
ミヤンマー人は、重い網を上げて、さらに、重い窓ガラスを下すくらいなら、防寒対策をして凌いじゃいます。
大きなヤカンに温かいミャンマー茶を入れ車内を回る売り子からお茶を立て続けに2杯購入して体温を上げる。（1杯500チャット 約40円）
車内の売り子（撮影：生方正）
他にも、トウモロコシや茹でた芋、フルーツやスナック菓子などを売りに来るので飲食には困らないが、市場価格より1.5～2倍高い気がするのは、観光要素が強い路線だから？
色とりどりの車内販売（撮影：生方正）
木や草が勢いよく茂っている所を通過するときは、窓と小枝が接触するので、ガラスは傷だらけ！せっかくの、のどかな農村風景もこのガラス越しからは見えない。
傷とホコリだらけの窓ガラス（撮影：生方正）きっと、年に何人かは、車内に入り込んでくる木の枝や硬い草でスマホを落下させているだろうし、腕などに傷を負っているはず。
目に当たらないことだけを祈ります。
目がくらむ高さに圧巻、ゴッティ鉄橋
マンダレーを出発して約10時間、この旅のメインのゴッティ鉄橋手前のゴッティ駅に到着。
そこから、時速10㎞程度のスピードでソロリソロリと689mの鉄橋を渡り切ります。
イギリスが造ったとはいえ100年以上前のこと、メンテナンスは？
ミャンマークオリティで大丈夫？
不安が頭をよぎりますが、ハラハラドキドキを楽しみながら無事通過することができました。
ゴッティ鉄橋手前のゴッティ駅（撮影：生方正）※マンダレー側からゴッティ鉄橋を通過するときに車窓から写真を撮りたい方は進行方向左側を選ぶことをオススメします。
写真を撮ったときにいい構図になります。
その日の内にマンダレーに戻るために必要なこと
シーポーに到着したのが15時。
シーポー駅（撮影：生方正）バイクタクシーを捕まえてバス亭に向かえば、その日の内にマンダレーに戻ることは可能です。
私は、バイクタクシーのドライバーが言ったバス出発時間を真に受けて1時間程市内観光をした後にバス停に向かったらチケットはないといわれました。
「どうしてもマンダレーに戻る必要がある」ことを強調したら、チケットオフィスの受付嬢が、3か所に電話して1席確保することができました。
シーボーは単なる地方町、特段、見るモノはないと思うので、マンダレーに戻られる方はバス停に直行して、チケットの確保をした後に観光を楽しんでください。
水道水でブレーキを冷やすバス（撮影：生方正）シーポー1640発→マンダレーバスターミナル2350着 高速バス 6500チャット（約520円）食事休憩：1回、トイレ休憩：2回
ヘアピンカーブが続くので、車酔いする人は酔い止めがあった方がいい
エンジン故障かなにかで、道脇に停車しているバスを3台目撃
まとめ
1. マンダレー郊外に世界で2番目に高い鉄橋がり、建設されたのは100年以上前
2. ミャンマー鉄道は、前日に切符を買えない
3. アッパークラスの席は広いうえにクッションが効いている。値段は普通席の2倍程度
4. 車両が激しく揺れる、窓が閉まらない、小枝や草が入り込むなど欠点は多いが、それも含めて列車の旅
5. 高さ102mの鉄橋を時速10㎞で通過するスリルは満点
6. その日の内にマンダレーに戻りたい人は、到着後に帰路のバスの座席を押さえる
ローカル鉄道に乗ることで、ミャンマーの人々の暮らしについて深く知るいい機会になりました。鉄ちゃん＆鉄子でなくても楽しむことができる1日ツアーです。
マンダレーに滞在した期間：2020年1月24～27日 この後は「ニャウンシュエ」に移動
