1.料金の高い宿泊施設しかないゴールデンロック周辺
ゴールデンロックのふもとキンプン・ベースキャンプとチャイティーヨー山頂を結ぶ交通手段はトラックに荷台を付けて、乗客を詰め詰めに押し込むフェリーと呼ばれる乗り物です。

このフェリーの運航時間は朝6時~夕方5時半。
片道40分で上り降りできたとしても、日の出、日の入りを見ることはできません。
つまり、日没を見るためには、ゴールデンロックのおひざ元であるチャイティーヨー山頂に宿泊する必要があるのです。
ここで問題なのが、山頂付近に宿泊施設が少ない、そこの宿泊料がバカ高いということです。
元来節約思考の私も悩みましたが、ここまで来て、ゴールデンロックの夕日も朝日も見ない方が勿体ないという結論に至り、宿泊場所を探すことにしました。
予約なしに小さなホテルに飛び込んだものの満室と断られ、次に、規模の一番大きなホテルに飛び込むと、部屋はあるけど、1泊の値段は驚きの100ドル‥‥(汗)

流ちょうな英語を操るフロントの女性はとっても高飛車、言い方に腹が立ちましたが、部屋がなくて困るのはこちらです。すぐにbooking.comで同じホテルを検索して、オンライン上から70ドルの部屋を予約しました。
その場で、宿泊料を30%ディスカウントしたことになります。しかし、当てが得られた部屋は、ホテル内で最低クラスの部屋でした。私が2週間、ミャンマー国内を旅行してきた経験から試算すると、この部屋の宿泊代は、安くて15ドル、高くても35ドル以上は取れないと感じました。

私は、このホテルが「ボッタ食っている」と文句をいいたい訳ではありません。値段は需要と供給で適正なところに落ち着くのが世の常ですから、この値段でも十分にお客さんを呼ぶことが可能なホテルなのです。
2.不動産は立地が命
「不動産は1に立地、2に立地」。原油が高くなったら「3にも4にも立地」という言葉を聞いたことがありますか?
つまり、不動産は立地で決まる。石油が値上がりすると、移動コストが高くなるので、立地の重要性は更に高まる。ということです。
このホテルは、ゴールデンロック観光する人にとって、とってもいい場所に建っています。

フロントで「日本人の宿泊客は多いのですか?」と尋ねたら「多いです!」「本日も団体客の宿泊予定が入っています」と回答され、日没前の時間にフロントでスマホをいじっていると、多くの日本人、中国人の団体客が慌ただしくチェックインをしていました。
団体客を受け入れるということは、旅行会社にマーチンを抜かれる。何パーセント抜かれるのかは判りませんが正規料金の25%だとしても、このホテルの部屋数は100室強。ハイジーズン中80%稼働していれば1日6000ドル以上の宿泊料が入ることになります。
部屋数が多ければ従業員を多く雇う必要があります。また、ここのスタッフは他のホテルに比べ流暢な英語を話すので、採用条件を上げているか、雇用後に教育をしているはずです。
さらに、フロント業務に当たるスタッフは統一した黒色のスーツを着用。こうった所にコストはかけているようですが、私個人的にはミヤンマー人の緩かさが消えてなにか冷たいホテルといった印象に感じました。
3. 立地がいいホテルは、改善よりも拡大が大切?
翌朝の無料の朝食は、想像通りの手の込んでいない食事内容でした。前日のバゴーで泊まった、1泊30ドルのホテルの朝食の方が格段においしかったです。

この高い宿泊施設に宿泊して学んだことは、立地のいいホテルは、カビ臭い部屋でもマズイ朝食を提供しても3倍以上の値段がとれる!ということです。
客からの要望、クレームは余程のことがない限り対応、改善はしません。なぜなら、対応しなくても団体客は予約を入れてくれるからです。
団体客はキャパシティーの狭いホテルに予約を入れることはしないので、チャイティーヨー山頂付近の宿泊施設はほぼ独占状態で集客が可能なのです。
敷地内に20室規模の客室を増設中でした。ミャンマー観光がより注目されれば、必然的にゴールデンロックに訪れる観光客は増えることになります。
私は、この地主、ホテル経営者を大変羨ましく思うことしかできません。
4.高い宿泊料を支払わなリスク
貧乏バックパッカーは、この高い宿泊料を節約するために、ミャンマー人同様、境内で野宿を選ぼうとする人もいると思います。

しかし、外国人はホテルでの宿泊が義務付けられているようです。
無理して野宿に挑戦しても浮かせられるお金は7千円。数千円をケチって体調を崩す、野良犬にかまれる、モノが盗まれるなどのリスクをとることの方が高くつきます。
特に、雨季の参拝は悲惨でしょうからホテルに宿泊してください。オフシーズンなのでホテル代も安くなっているはずです。安くなっていなければ、交渉するのみです。
まとめ
1. ゴールデンロックの夕日を見るのには、山頂付近の宿泊施設に泊まるしか選択肢がない
2. いい立地に建つホテルは、3倍の宿泊料金でも客が入る
3. 立地がいいホテルは、サービスの改善よりも、規模の拡大を目指す
4. 外国人はホテルでの宿泊が義務図けられている、野宿にはリスクがある
高い宿泊料を支払うことで学んだ、不動産の本質に関するお話でした。
チャイティーヨーに滞在した期間:2020年2月1~月2日 この後「パアン」に移動
