90%が亜熱帯ジャングルに覆われる西表島は「東洋のガラパゴス」といわれるほど自然豊かな島です。
「2021年7月の世界遺産委員会拡大会合で世界自然遺産に決定される」と言われていることもあり、これから特に注目されることになります。
正式に決定したあとは、自然環境を守るために1日に入域できる数に制限が設けられ宿泊料金も値上げされることも考え先取りして旅行してきました。
今回は「西表島」に訪れたら絶対に参加しておきたいアクティビティ「由布島観光」「マングローブクルーズ」についてお伝えします。
西表島の基本情報
西表島は日本で2番目に西にある友人島ということで小さな島を想像していましたが、実際は沖縄県内で本島に次いで広い島です。
空港がないため島へのアクセスは石垣島の離島ターミナルから高速船で40分。
西表島の南東にある海の玄関「大原港」を結ぶ航路は1日12便が運航され運賃は片道1830円。それほどアクセスに不便を感じません。
島の人口は2400人。主要産業はサトウキビ、パイナップル栽培、観光業。最近は他の八重山諸島同様に牛農家が増えているようで島内で放牧牛を多く見かけます。
冒頭でお伝えしたように西表島の気候は亜熱帯性、生息する動植物が他の場所と異なり東南アジアに来たような感覚になります。
名前の由来は、沖縄地方の言葉で「東」を「あがり」、「西」を「いり」と呼ぶため、この呼び名になっているのだとか。
ただし、常用漢字で「西」を「いり」と読まないので違和感がありますが、この違和感が旅情をくすぐり期待感を高めてくれます。
宿泊事情と道路事情
西表島の宿泊施設は石垣島より2~3倍高い値段に設定されています。
宿泊施設が少ないことに加え、モノを運ぶコストや手間がかかることを考えると致し方ありません。
私は島の中でも比較的お店がまとまっていて便のいいフェリー乗り場から遠くないエリアの安宿を拠点にしました。
石垣島を午前8時半に出港するフェリーに乗ることを宿に伝えておいたので、港でピックアップしてもらい宿まで送ってもらう。宿に荷物を預けたあとは、宿が1台所有するレンタルバイクで島内一周に出かけました。レンタル料金は6時間1000円、日没近くまで島を周りたかったので2000円を支払いましたが良心的な値段だと思います。
西表島の外周は130㎞。道路が整備されているのは北西から南東にかけての島の半分だけ、つまり「片道65㎞進んだら行き止まりとなり、来た道を戻って帰る」このようなコースになります。
亜熱帯植物が生い茂る道をイリオモテヤマネコに注意しながら走行
亜熱帯の植物の生い茂る信号のない道をバイクで走行することはとっても気持ちのいいモノです。
西表島の道路では、イリオモテヤマネコの描かれた“動物注意”の看板を頻繫に見かけます。場所によってはヤマネコと車の接触事故の発生件数を示した看板が設定されています。
そもそも、ヤマネコは夜行性なので昼間に見かけることは珍しいのでこれほど注意喚起が必要なのか疑問に思いました。また、他の動物に比べると見た目に愛らしさが足らない、農作物の被害がでていることを考えると「地元の人は天然記念物に指定されているから仕方なく保護している」のかなぁ?と思い地元の方にたずねると、意外にヤマネコに肯定的な意見が多くて驚きました。
雨の降った朝方はカエルなどが道路に出てきます、それを捕食しに来たヤマネコが観光客の運転するレンタカーに接触する事故は年に1~2回起こっている。車で引かれても助かる命があるので、絶対に触らないで保護センターに通報して対処してください。このような説明をする方が多かったのが実情でした。
レンタルバイクは燃料満タン返しのため、宿の近くにあるガソリンスタンドの閉店時間が午後6時半だったため、それまでに給油を済ませる必要がありました。
街灯の少ない西表島、土地勘があるワケもないので日没後の運転は安全とはいえません。給油施設の閉店がその日のツーリング終了時間。野生動物保護の観点からもこれで丁度いいのかもしれません。
日常生活で24時間お店が開いている有難味を知るいい機会にもなります。
西表島1番人気のアクティビティ由布島(ゆふじま)
西表島の東海岸に隣接している由布島。
大人12人を乗せた牛車を体重1トン前後の水牛が片道500mの浅瀬を渡るアトラクションです。水牛や島に関する話、沖縄の楽器“三線“の演奏を聴ける至福の時間です。
料金は水牛車往復と植物園の入場料込みで大人1人1760円。
由布島は外周2㎞の小島、そこに住む島民は15人、水牛の数は48匹。
マングローブ遊歩道や蝶々園や植物園が整備されている観光島です。
非番の水牛が頭だけ出して水の中でマッタリとしている姿を見ることができる”水牛池”。
キレイなビーチが広がる”マンタの浜”。数種類の大きな蝶々が飛び回る”蝶々園”
もちろん、食事する場所やカフェ、お土産屋さんもあります。
私が一番感動したのはマングローブの遊歩道でした。マングローブの根本に多くの貝やカニが生息する豊かな生態系を直に見ることができたことでした。
周辺には直径10㎝程度の穴があり、その中には高い確率で大きなカニが入っていました。
子供がいたずらで手を突っ込むと大変なことになりかねないので、訪れる方は気を付けて下さい。
仲間川マングローブクルーズ
西表島のもう1つのオススメのアトラクションはマングローブクルーズです。
私が選んだのは日本最大級のマングローブ林が生い茂る仲間川(なかまがわ)を約2.5㎞遡上して、樹齢400年の大木”サキジマスオウノキ”を見る70分のツアーです。
西表島の海の玄関「大原港」のターミナルでツアー(大人1人3000円)を申し込んでから乗船。
60人乗りのボートに乗客は私1人。それでもガイド兼パイロットは丁寧に説明をしてくれました。
・マングローブは特定の木を指すのではなく淡水と海水の入り混じる水域に生息する木々の総称。
・マングローブは密度が高く成長が遅い。木なのに水に浮かない。
・現在は伐採が禁止されているが、昔は家を建てる材料として他の離島に出荷されていた。
・塩分濃度の濃さにより生える植物の種類が変る。また、生い茂るマングローブは多様な特性を持つ
・仲間川でカニ漁が許されている漁師は2名に制限されている
ツアー1番の目玉、高さ20m、幹周3.6mのサキジマスオウノキは、ジュラシックパークやジブリの中に登場するような大木でした。
潮が引き水深が浅い時間は、大木の生い茂るポイントまで船で行くことができません。行き当たりばったりでツアーに参加して”サキジマスオウノキ”を見れたことはとってもラッキーでした。
次回、来ることがあったらカヌーで川を下ってみたいと思います。
まとめ
西表島が世界遺産に認定されたあと、日本はもとより世界中から観光客が押し寄せます。
環境を守る新しいルールが設けられるとはいえ、地元の経済は活性化され潤うことになるはずです。もちろん、島民の所得が高くなり生活が豊かになることは同じ国民として喜ばしいことではありますが、緩い南国気質が失われて商売感覚の強い沖縄では魅力が半減されます。
是非、色々なことが変わる前に西表島を訪れてみて下さい。多くの発見があることと思います。
石垣島を起点に島めぐり、すばらしいですね。LCCもあるそうですし、時期を考えて行ってみたいです
石垣島リゾート、本当にオススメできる島です。
LCCが飛んでいるの助かります。
拝読させて頂いて西表島ならではの様子が目に浮かぶようでした。また西表島が世界遺産だと言うことを今回知りました〜有難う御座います♪
フラワーさん、コメントありがとうございます。
是非、訪れてみて下さい。
国内だけど海外旅行をしている感覚になりそうだと思いました。
はい、沖縄本島よりも台湾の方が近い場所です。