口永良部島(くちのえらぶじま)は、屋久島の12km西に位置する”ひょうたん型の島”。面積は屋久島の1/14です。
島へのアクセスは屋久島から1日1便就航しているフェリー。
中型船には見えますが、波が高いと直ぐに欠航するため私は5日間、屋久島で足止めを食らいました。
今回は、屋久島の隣にある秘島「口永良部島」一周ツーリングについてお伝えします。
天候状況に左右される口永良部島行きフェリー
口永良部島に行く方法は屋久島からでている定期船に乗る方法一択。
奇数日は屋久島の宮之浦港を0825出発。偶数日は1205出発。
効率よく口永良部島を周るのには「奇数日に出発して翌日の偶数日に戻る日程」です。
しかし、波が高い冬季、台風シーズンは運航が止まるため島に渡ること自体が難しくなります。
島に到着した後に天候不良でフェリーが欠航すると、宿泊所、食堂もわずかな人口50人の島に釘付けされることになります。
事前の天候確認だけはおろそかにすることはできません。
屋久島~口永良部島間の乗船時間は1時間半。料金は大人片道2140円。
船内で見かけた乗客の大半は公共工事を請け負った建設業者と釣り客。リゾートに訪れる人は皆無でした。
難しいレンタルバイクの確保
手つかずの大自然が残る口永良部島の外周は島全域が「屋久島国立公園」「生物圏保存地域(通称:ユネスコエコパーク)」に認定されています。
つまり、我が国を代表する傑出(けっしゅつ)した自然風景を見ることができます。
島内の主要交通手段は軽自動車。
フェリー乗り場のある本村集落で借りられる場所は数か所あります。
私は自動車の運転に慣れていないため乗り慣れている2輪車を貸してくれるところを探しましたが、ネット上で見つけることはできませんでした。
仕方なく、宿泊予約したダイビングショップ兼民宿「Sea Kiss」に借りられる場所がないかたずねたところ「個人所有の原付をレンタルしてくれる」ことになりました。
まさに、渡りに船。そのうえ、提示された料金はガソリンの実費500円だけでした。
「口永良部島八景」観光スポット
14時45分、口永良部港入港。
時間を短縮するため早足で民宿に移動。おかみさんに挨拶して荷物を置いたら直ぐにバイクを走らせました。
島の外周距離は50㎞。日が暮れるまで2時間半で周り切る予定です。
今回借りたバイクはホンダディオ50㏄。古いバイクでブレーキの利きが悪かったですが借りられたこと自体に感謝です。
1つ驚いたのは、渡されたヘルメットが、自転車用だったことです。
駐在さんもいない島なので色々な意味で緩いのでしょう。
最初に向かった場所は北西方向にある口永良部島八景の1つ岩屋泊(いわやどまり)。山に囲まれた穏やかな入り江で北海道の礼文島を思い出させる湾でした。
この島の景勝地は「口永良部島八景」と名前がつけられています。
他にも下記の景勝地を訪れました
①寝待の立神岩‥‥ 海岸に立つ切り立った大きな岩
②永迫(ながさこ)‥‥ 地形の起伏に沿ってうねり広がる牧場
③番屋ヶ峰(ばんやがみね)‥‥ 麓は元より屋久島までみはら
せる高台
④新村(しむむら)‥‥ 波浪によって削られ、切り立った荒々
しい亀ヶ浦の海食崖景観
日没までに周り切れるためにタイムレースのように一瞥しただけの薄いツーリングになっていまいました。
島を周るのには半日は必要です。
劣悪な交通事情
島を一周して思ったことは、観光に来る島ではなく珍しい動植物の生態を探索するために学者が訪れる場所。
島一周ツーリングで目撃した危険な交通事情は下記になります。
・ 車が通行できない崩落した道が注意喚起なしに現れる。
・ 道路中央にできた溝やヒビにタイヤをとられる。
・ 大量の落ち葉でブレーキが効かない。
・ 倒木や伸びた枝が走行に支障をきたす。
・ 島の大半のカーブミラーが脱落している。
交通量が少ないとはいえ、車の運転に慣れていない人が島を走行するのは危険です。
国や県も交通量の少なく、工事費の高い離島の道路を修理するくらいなら、優先順位の高い場所に予算を使うのも当然だと思います。
しかし、劣悪な交通事情だということを知らないで運転すると事故に遭う人間も少なからずでると思います。
是非、口永良部島に行かれる方は、このブログを一読して普通と異なる交通事情があることを頭の隅に入れておいてください。
「本村温泉」島民憩いの場所
日没時間が過ぎ真っ暗になる前に急いで帰路に就きました。
道路に街灯が設置されていないため、ヘッドライト1つで曲がりくねった道を進むことになるからです。
日没30分後に島一番の集落“本村”に到着しました。しかし、地図アプリに細い道が反映されていないため宿に戻るのにも一苦労でした。
南国、鹿児島とはいえ1月の外にさらされた身体は冷え切っていました。
火山島である口永良部島は温泉が有名です。島の起点となる本村にも2008年に完成した立派な温泉施設があり島民憩いの場所になっています。入浴料は大人350円、町民200円。
泉質は単純温泉で、湯は鉄分を多く含み薄茶色をしていて体の芯まで温まるいいお湯でした。
湯上り所にはマッサージチェアや豊富な漫画が置かれていて癒しのひと時を過ごすことができました。
まとめ
日本人の多くに知られていない離島、口永良部島。
キレイな自然が見られるほかは観光の目玉がありません。
むしろ、何もないことが売りなのかもしれません。
私の記憶残っているのは「津波により破壊された海沿いの集落」と「大量の土石流により押し流された道路」です。
誰も行かない離島を訪問した経験作りするための場所なのかもしれません。
屋久島に長期滞在できる方で1日半時間を割くことができる方はいっても損しない秘島です。
口永良部島の道路はガードレールがついていない道がほとんどです。車を運転される方は十分に注意して運転ください。
口永良部島滞在期間:2022年1月16~17日
日本にも凄い所がありますね。
道路に関しては、注意しなければいけない事がよくわかりました。普段の道路状況に感謝かもです^_^
日常使っている道路に感謝できるなんて凄いです(脱帽)
この島獣医の父が定期的行っていました。
どんなところか行ってみたいなーと思っていましたが、運転なかなか大変そうですね。屋久島はよく行きますが、口永良部島は行くのが難しそうですね。
トミーさん、こんにちは!
獣医さんは、離島に行くのですね~
初めて知りました。ありがとうございます。