ラオスに存在する世界遺産の数は3個。その内の1つ、巨大石壺で有名な「ジャール高原」は、首都ヴィエンチャンから直線距離で北に280㎞。
10時間のバス移動なら料金が高くてもゆったりしたシートで快適に過ごしたいと考え、一日1本しかないVIPバスを選びました。
ところが、そのバスは想像していた形態と大きく異なる乗り物でした。
今回はラオスのVIPバスは「シートではなく寝台」についてお伝えします。
ラオスのバス移動はコスパが高い
ヴィエンチャンから世界遺産「ジャール高原」の拠点「ポンサワーン」までは400㎞。バスで10時間の長旅です。
旅の起点はヴィエンチャン中心部から10㎞北にある「南バスターミナル」。
都内の西にある「北バスターミナル」より北にあるのに「南バスターミナル」の名称がついています。
この要因はラオスの南東方向に行くバスの起点となっているので「南」と名付けられたモノと推察します。
「南バスターミナル」は、ラオスで1番大きなターミナル。建物も大きく天井は高い、ラオスらしくない洗練された建物です。
チケットを買うために売り場の上部に掲げられたスケジュール表を見て絶句しました。
私の目的地「ポンサワーン」が見当たりません。1時間早めに到着していたので気を取り直して読み返すと一番下に「XIENGKUANG」という文字が目に入りました。
「シェンクアン」と読みそうですが、どうやらこの表記が「ポンサワーン」のようです。
ポンサワーン便は0630~2030、1日4便。VIPバスは最終便。運賃は22万Kip(約1800円)。1時間当たりの移動コストが180円なんてラオス旅はリーズナブルで助かります。
寝台バスは実在した
チケットを握りしめて乗り場に向かうと、停車していたのはLEDでデコレーションされた韓国製の観光バス。
ラオスの車は右側通行。日本の乗用車を多く見かけますが、バスは昇降口が右側にある韓国車が大半です。
車体は洗車されキレイに保たれていたので、整備もされている印象を受けました。
ドライバーにチケットを見せて車内に進むとそこに広がっていたのは2段ベッド、椅子はドライバー席にしかありません。
電車ではよくある光景ですが、バスの寝台は初めてでした。
次の日に備えて寝ておこうとベッドに横になると2~3分後に私の席に上がろうとする男性が現れました。
私は「自分が席を間違っている」、もしくは、「オーバーブッキングで発券されたのか?」と思いましたが、どうやら大人2人で1つのベットを共有する仕組みのようです。
どうりで運賃が安い訳でした。
寝台バスの問題点は狭さと寒さ
私の肩幅60㎝、隣人も中肉中背。2人が横になると肩が触れるか触れないかの微妙な距離。
つまり、ベッドの横幅は120~130㎝。
他のシートを見ると、女性は女性、男性は男性、男女隣り合うベッドはカップルで予約した人だけのようです。
与えられた寝具は低い枕1個と毛布1枚。緯度の低いラオスでも夜の山岳地方は冷え込みます。さらに、強力な冷房を効かせる過剰サービスによりウルトラライトダウンを着たうえに毛布を被っても寒くて寝れません。
街灯の少ないラオスの夜間道路、車窓から景色を眺めても車外は真っ暗です。
しかし、思ったより揺れなかったので、この経路は悪路はあるものの全体的に舗装されている印象を受けました。
ベッドの狭さと寒さ問題は、乗客が下車することで段々と解決します。空いた席に移る、余った毛布を使うことで快適になりますが、それができるのは到着2~3時間前からです。
10時間の移動中、休憩は4回。その度に外でスクワットをして体温をあげました。
ドライブインに寄ったときに残念だったのは、売られているドリンクが全て冷たいモノだったことです。南国に来ているのに、暖かいコーヒーを渇望するとは思いませんでした。
ポンサワーンで地元の方の暖かさに触れる
目的であるポンサワーンに到着したのは0630。地方のバスターミナルにしては建物は新しく立派です。
市内にでる交通手段は数台のトゥクトゥクですがドライバーに英語が通じないので意思疎通ができません。
到着10分後に個人商店がシャッターを開けだしたので、念願のホットコーヒーを飲みながら焚火に当たり暖を取らせてもらいました。ラオスで凍える思いをするのは想定をしていませんでした。
やがて、店主が朝ごはんの準備を始め、焚火番をしている私にも、お声がかかり、朝食にありつくことができました。
出されたモノは、炊きたての大量の”もち米”とラオスの漬物でした。
言葉が通じなくても、現地の方と交流できたことがとってもいい思い出になりました。また、炊き立てのもち米がとってもおいしかったです。
まとめ
ラオスで運行されているVIPバスは寝台のスタイルの車両もあり、そのベッドは非常に狭い。さらに、寒さ対策が必要であることを頭の隅に置いておいて下さい。
それから、10年以上前に読んだ旅行記に寝台バスがない理由は「酔ってしまうから」と読んだことがありましたが、そんなことはないことが分かりました。
次回は、世界遺産「ジャール高原の旅」
訪問時期:2023年1月
寝台バスとは貴重ですね^_^
南国でも寒さ対策が必要なのですね
いい学びができました
ありがとうございました
南国といえども侮れませんよ~