ラオスに存在する世界遺産は3つ。
14世紀に王国の首都だった「ルアン・パバーン」、巨大な石壺が転がる「ジャール高原」、10世紀に建てられたヒンドゥー寺院「ワット・プー」。
今回は、ラオスの南、「パクセー」から45㎞南にあるアンコールワットの原型になったといわれる世界遺産「ワット・プー(Vat Pho)」についてお伝えします。
レンタルバイクは便利で経済的
現地の言でワットは「寺」、プーは「山」を意味します。
「山寺」をこのように呼ぶためラオス全土は元より、タイ北部に複数の「ワット・プー」が存在しますが世界遺産に認定されているのはラオス第2の都市「パクセー」から45㎞南の山寺。
メコン川の西側をを南下すれば着けるシンプルな経路なのでバイクで自力移動が可能です。
パクセー市内で1日バイクを借りる費用は16万Kip(1280円)。
午後の暑い時間の走行を減らすことを考えるとできるだけ早い時間に手続きを済ませて夕方に返却するのが効率的です。
夜、バイクを乗り回す必要がない人は、キレイな車体を選ぶことができます。
レンタルバイクは125㏄前後のスクーター。
バイクに乗った経験がある方なら難なく目的地に到着できます。
バイクを借りるときにパスポートを預ける必要がありますが、国際免許証の提示はありませんでした。
「ワット・プー」までの経路と入場
「ワット・プー」までの道のりは、ヤシの木が生い茂る水田、川幅の狭いメコン川、田植えをする農家。牧歌的な景色を1時間堪能することができます。
ちなみに、道端で売られている食べ物は焼きとうもろこし、ココナッツなど、添加物の入らないとってもヘルシーな食品でした。
敷地内に入ると子供の係員に竹で作られた駐輪場に誘導されます。
ちゃちな作りですが、日よけがあって助かりました。
駐輪代金は5000Kip(40円)。
「ワット・プー」の入場料は50000Kip(400円)。
1日の入域料が$20を超える世界遺産が多いことを考えると、入場料もとってもリーズナブルです。
チケット売り場横にトイレが設置されています。
男女を区分けするために示されている絵がとってもユニーク。
女トイレに描かれている人の肩幅が広く筋肉隆々、おまけに顔が男っぽい。
絵だけ見て判断すると間違った方に入ることになります。
なんとも紛らわしいのが「ラオスクオリティー」。
ヒンドゥーから仏教にトランスフォームした寺院
「ワット・プー」がこの地に建設されたのは5~10世紀。
巨大な寺院を建築する国力があったことを考えると数万人規模の人々が豊かに暮らしていたことが分かります。
寺を建立したのはクメール王国。
つまり、ここで培われた建築技術がカンボジアのアンコールワットを建立するときのベースになったのだとか。
ヒンドゥー教寺院として造られた「ワット・プー」は、現在、仏教寺院として機能しています。
なぜ、入れ替わったのかというと、タイ・ラーオ系民族が13世紀にこの地を占領して上座部仏教寺院として仏像等を設置して造り変えたからです。
「占領したから・・」「されたから・・」ということではなく、こういった歴史背景があり現在にいたることを認識して見学するのが正しい見方だと思います。
ヒンドゥー教と仏教が混在する世界遺産
ビジターセンター向かいにあるEXHIBITION HALL(展示室)を見学したあと、電動シャトルで寺院正面まで移動するのがオススメです。
寺院まで1㎞程度歩く距離を短縮することができます。
シャトル代は入場料に含まれています。
左右にアンコール様式の立派な神殿。
センターに石造りのリンガが立ち並ぶ長い参道、後ろに聖なる山「プー・カオ」。
荘厳(そうごん)さが際立つ造り。
参道を抜けると登り階段の始まりです。
名前の通りの「山寺」。かなりの段を登る必要があるうえに敷地が広大。
階段を登り切った先にあるモノは、天井の崩落した祠(ほこら)。
中には金色に塗られた大きな仏像1体の前に色の塗られていない3体の仏像。
真ん中に着座する仏像のお顔がどことなく「サザエさんにでてくるカツオ」に似ているため有難味より、クスッと笑えるお姿。
後ろを振り返ると、今まで登ってきた道と遺跡全体を見下ろすことができます。
また、祠の北100mには、巨大な岩に彫られた象を見ることができます。
「最も観光客が少ない世界遺産」と言われる「ワット・プー」ですが、木の生育にともなって歪んだ参道、袈裟をかけた僧侶が歩く景観、牛が除草する様子。ラオスらしい長閑な世界遺産を堪能することができました。
まとめ
ラオスのバイクはガソリンが入っていない状態で貸し出されるため直ぐに給油が必要です。レンタルバイク店主曰く「ワット・プー」往復は3ℓあれば余裕で足りるとのことでした。
しかし、私はガス欠を起こしました。
給油するとき、店員に指を3本立て3ℓ注文したつもりが、給油されたガソリンは30000Kip分だったのです。
現地のガソリン価格を把握していないうえに言葉が通じない。
このような条件が重なるとミスが起きることを痛感しました。
また、バイクにまたがったときに、ミラーが緩んで後方確認ができないことに気づきました。その場で指摘してバイク屋で修理してもらいましたが、バイクの側面が傷だらけということは、ミラーやハンドル部に異常がある可能性があることを念頭におく必要があります。
訪問時期:2023年1月
ワットポーほ聞いた事があったのですが、ワットプーは初めてでした。一度行ってみたいです^_^
確かに、ワットプーもありましたね~