「サガダ村」の在る場所は、フィリピン第2の都市「バギオ」からバスで7時間。世界遺産「コルディリェーラの棚田群」のある「バナウェ」に行く途中に立ち寄ることができる所にあります。標高1500m、人口1300人の小さな村ですが、ここには世界でも珍しい埋葬方法「ハンギングコフィン」の墓地が残されているため世界中から人が訪れます。
イゴロット族に受け継がれた奇怪な埋葬風習「ハンギング・コフィン」
この地に住む少数民族イゴロット族は、2010年まで珍しい埋葬をしていた民族です。死者を1週間煙で燻(いぶ)して防腐処理をしたあとに木の棺に入れ、神聖なる谷の断崖に足場を作り空中に木棺を固定して死者を弔う、風変わりな埋葬を続けていました。
数百年続けられてきた習慣のため、断崖に、かなりの数の木棺が吊るされています。もちろん、100年以上経過した棺桶は朽ち果て落下しているモノもあり、当然ながら、近くに人骨が転がっています。
私は、ツアーで周ったのではなく「バギオ」からのバス車内で知り合った、地元出身者に案内をしてもらったため、彼らの心情を考慮して生々しい写真を撮ることを控えました。
ツアーであったとしもて、地元の人にとって先祖の眠る神聖な谷なので「写真を撮っても大丈夫ですか?」一言、確認してからにしましょう。
現在、「サガダ」に住む人の多くはカトリックを信仰しているため「ハンギング・コフィン」を希望する人はいないようです。ちなみに、神父さんが亡くなった場合、小屋のような立派なお墓が建てられますが、安置される場所は一般の人の墓から離された所に埋葬されるそうです。理由は「神父の目の届く範囲に、一般の人の墓地があると、亡くなった方の気が休まらない」からだそうです。
「バギオ」から「サガダ」へのアクセスは1日5本の高速バス
「バギオ、「サガダ」間の高速バスは1日5便。私が訪問した2019年2月2日は、「サガダ村」でお祭りが実施される日だったため朝4時過ぎにバス停に向かい5時半発の始発チケットを購入しました。
「バギオ」~「サガダ」間を結ぶバスは多分、韓国製です。車線が日本と反対のフィリピンではドアの位置が反対になる日本製のバスを使うことができないからです。バスの乗り心地は悪くありませんが、終始山道のため1分に1度カーブを通過するようなイメージです。車酔いしやすい方は酔い止めを飲んでおくことをオススメします。
車窓からの眺めは、山を開墾した段々畑。さすがは、野菜の一大生産地、ビックリするくらい山が畑に作り変えられています。
標高が高いところを通過する際は、雲海を見れることもあります。日の出か日没が重なると、とっても素晴らしい景色を織り成してくれます。
「サガダ村」のメイン道路は1㎞もありません。当日はお祭りであったこともあり、両サイドに、洋服やお土産、蜂蜜や山で摂れたキノコなんかを取扱う屋台が並んでいました。肝心の「ハンギング・コフィン」が見られる場所は村の中心から800m離れた「エコーバレー」といわれるエリアになります。入り口に料金所があり、外国人も地元の人も入域する場合、10ペソ(約20円)を支払います。
問題なのは、入域する前に町の中心にある観光案内所で滞在登録と環境税(約100円)の支払いを済ませてた書類を持っておく必要があることです。
そのことを知らなかった私は無駄な往復をする羽目になりました。
また、観光案内所のスタッフは、ガイド付きのツアーを強く勧めてきます。私は、地元の人に案内をしてもらうことを説明したことで免除されましたが、「ガイドなしでの見学はできない」ルールになっているかもしれません。
「サガダ」に行ったら絶対に食べておきたいヨーグルト
「サガダ」に行くことを語学学校の教師に話したとき「絶対にヨーグルトを食べた方がいい」といわれました。調べてみると、「サガダ」にはヨーグルトハウス(Yoghurt House)といわれるヨーグルト専門店があり、この地を訪れた多くの観光客が訪れているようです。
場所は村の中心地から南側200~300m。店の前に、なんとも独創的な看板がかかっているので間違えることはありません。
店内は、昔の「サガダ」の様子を伝えるたくさんの4つ切サイズの白黒写真が展示してあります。
メニューは、サンドイッチやパスタ、チキン料理もありますが、私が注文したのはヨーグルト。ヨーグルトはプレーンでも注文できますし、チョコレートやバナナをトッピングすることもできます。私がオススメするのは、この地のもう1つの名物である、蜂蜜をかけたモノです。
因みに日本のヨーグルトよりも酸味が強く、硬めの食感でした。価格は、プレーンヨーグルト180円。蜂蜜をかけたモノ200円。観光地価格ですが、ここまで来て試さないのはもったいないです。
まとめ
世界で圧倒的に実施されている埋葬方法は、火葬、土葬、鳥葬です。それに対してサガダの「懸崖葬」は、遺体を害獣から守ると共に、天に近い場所に安置するために10倍以上の労力をかけて死者を弔うことをしています。
場所的にも山間部の片田舎、人々は裕福な暮らしをしてきたはずもありません。私が想像するに、現代人よりも「死後の世界は素晴らしいモノである」そんな世界観を持っていたのだと思いました。「世界は広い!」
雲海と夕日の写真がとてもキレイです✨
懸崖葬という埋葬方法は初めて知りました!
サガダ族の世界観、、興味深いです
宇海さん、コメントありがとうございます。
将来、色々な所に旅に行って視野を広げて下さいね!
世界は広いですね。いい学びができました。一度行ってみたいです
モーモーさん、是非、行ってみてください。