ライダーハウスはボロくて安い単なる宿泊場所ではありません。
旅人同士が情報を交換する場であるとともに、他人の生き様を聞くことで、自分の人生に役立つヒントを得られる貴重な場です。
考え方、心構えを少し変えて宿泊するだけで、結果は大きく変わることになります。
ライダー、チャリダー憩いの場「ライダーハウス」
北海道には「ライダーハウス」と呼ばれる宿泊施設が存在します。
旅人の間では「ライハ」と略して使われることが多いです。
名前から推測できるとおり利用者の大半がバイクや自転車で道内を周る旅人です。
施設は、小さな独立した部屋にベッドがあるところから、2段ベッドがずらりと並んでいる一軒家、広い座敷に各人が用意した寝袋を広げるスタイルなど様々です。
宿泊料は1泊、数百円~2500円。お金を節約しながら長期間旅を続けたい人、天候の悪い日のキャンプを避ける人などにとって、とっても助かる宿泊施設になります。
無料で使えるキッチンや洗濯機がついているところ、銭湯と提携しているところ、オーナーの機嫌によっては自宅に招かれウニが振る舞われるところなど様々です。
運営は企業や個人がおこなっていることが多いのですが、町おこしや地域活性のために自治体が実施しているところもあります。
いずれにしろ、各ライハは地域の特性、オーナーの人柄がよく表れている興味深い宿泊施設であり、宿泊経験や施設の情報を旅人同士は好んで共通の話題にします。
ボランティアに近いライダーハウスの経営
実際にライハに泊まって思ったことは、運営側は利益がでないのに旅人を受け入れていることに頭が下がりました。
民泊や食堂、お土産屋、銭湯やコインランドリーを兼業で集客している宿もありますが、ライダーが利用する期間は5月~10月に限定されるからです。
つまり、ライハで稼げるシーズンは1年の内わずか半年。残りの期間は部屋をクローズ。施設の維持費や補修が必要なうえに、固定資産税を払うのですから収支は合いません。
しかも、利用者の中心は安い値段が魅力で集まる長期旅行者。値上げでもしたら敏感に察して、他の宿泊施設やキャンプ場に流れかねません。
つまり、ライダーハウス単体で営業しても利益は出ないのです。
では、なぜ、オーナーは夏にライハを営業しているのか?
とくに、2020年はコロナ問題があり、他県から旅行者が集まることをよく思わない、町内の方から営業することを反対されたり、嫌がらせ電話を受けているのに!
その答えは、毎年訪ずれる常連さんのために開けておきたいホスピタリティが強いからです。ライハを30年以上営むおばちゃんは、自慢げに昔は数日数十人の若者が押し寄せて来てくれた。その中で出会った十数組は結婚して各地で暮らしている。ライハを続けることが、旅人に交流の場を提供するとともに自分も彼らと話がしたい!そんな気持ちが強いからだと察することができました。
夕方に稚内市内にある有名なライハに電話をかけ「20時頃到着するので予約をしたい」と名前を伝えようとしたら「うちは、辿り着いた人だけが泊まればいい所だから」。
予約さえ入れさせてもらえない、つまり、商売っ気は一切ない。そんな宿泊施設なのです。
ライダーハウスに宿泊する最大のメリットは情報交換
灰汁の強いオーナーに加え、過去に起きたトラブルなどにより各ライハで定められているハウスルールはマチマチ。もちろん、そこに宿泊する常連さんがさらにローカルルールを積み重ね若干窮屈なところがないわけではありません。しかし、私は、ライハを好んで利用していました。
なぜなら、北海道各地の新鮮な1次情報がとれるからです。時計回り、反時計回りで周っている旅人が出会えば、お互いの持つ経験が相手の役に立つ情報に早変わり。そこに、10年通っている猛者の助言が加わると、どこで何を見ればいいのか?そこまでのルートは?途中に寄って食べた方がいいモノや気を付けることまでが明確になるのです。
また、ライハに集まる方は、エッジの立つキャラが多く、各人が持つバッググランドも興味深いモノがありました。いずれにしろ、行動力のある方が集まる場所なので、出会った方は、面白い方ばかりでした。
毎年、北海道を周り「殆どの所に行き尽くした」人もライハに好んで泊まるのは、出会いを楽しみにしている。そのように見えました。
周辺地域の大切な労働力となる長期旅行者
ライハは「全国から訪れる旅人を受け入れ、旅人同士の縁をつなぐ」、「多少なり周辺地域にお金を落とし経済を活性化させる」場だけではありません。
時間に余裕ある長期旅行者は、「メロンの収穫」「昆布乾し」「ホテルの清掃」「人参ジュースの製造ライン」など周辺産業の貴重な労働力にもなります。
もちろん、旅人の方も旅行資金を稼げる貴重な機会になるとともに、旅のいい想い出をつくる機会にもなっています。
まとめ
ライダーハウスは「宿泊施設がボロイ」「掃除が行き届いていない」「ドミトリーで幅を利かせる常連がいる」など忌み嫌う人がいるのは事実だと思います。しかし、私からしたら、いい人生勉強ができる貴重な場だと思います。宿泊所が合わなければ次の日に宿を去ればいいだけのことです。
それよりも、「自分の必要な情報をとる」「今後も付き合っていける友人を探す」こちらにフォーカスした方がよっぽど得るモノは大きいはずです。
最後に、ライハはボランティア活動の延長のような施設です。「宿泊者は間借りさせていただき、ありがたい」このような考えで利用ください。
ゴミの分別や食器の片付け、オーナーへのリスペクト、これらがなければ「10年後に残るライハは1/10に減っている」そんな気がします。
北海道に滞在した期間:2020年9月1日~13日
生方さんまた来年会えるといいですね❗
オサムちゃんは、今から行く気満々ですね!
ライダーハウス、みんなで大切にしていきたいですね♪ 一度北海道へ行きたくなりました。
ありがとうございます♪
LCCを使えば安いですから旅行してみてください。
行動力がある人たちと出会える場所、、、素敵ですね!
はい、本当に得るものが多い宿泊施設です!