寒いのが苦手な私は毎年、海外の南国で冬をやり過ごします。
しかし、2021年は新型コロナウイルスの影響があり渡航先を沖縄に変えました。
今回は、日本最西端の地「与那国島」を訪れた経験についてお伝えします。
最果ての地を訪れるのに必要なコストと時間
日本の最西端は与那国島です。
東京から南西方向に2000km。国内線が飛んでいるとはいえその距離は東京~ソウル間の往復に匹敵します。直行便が毎日運航しているワケもなく、エアーチケットは、香港やシンガポールの往復代金以上の価格です。
つまり、「狭い日本」といわれる国でも、実際に最果てに行くのには、それなりの時間とコストを支払わないとたどり着けない現実がそこにありました。
与那国島に数千円で渡れる定期船
私がこの冬、長期滞在していたのは石垣島でした。
繫華街が発展していて暮らしやすいうえに、フェリーに乗って離島に渡ることで、バケーション気分を味わえるためワーケーションに便利な場所だったからです。
石垣島、与那国島間の距離は127km。与那国島に1600人の島民が生活していることを考えると、定期的に大量の物資を運ぶ必要があります。その供給源が石垣島であり、輸送を担うのが両島を結ぶ定期船になります。
使われている船は新し目の大型客船、所要時間は4時間半。料金は片道3550円です。
一見するといいこと尽くめに見えますが、天候が悪ければ船は欠航してスケジュールが狂います。欠航する程でなくても船は揺れるので「ゲロ船」と恐れられています。
私が与那国島に訪れたときも、天候が悪くて大きく揺れました。10時に石垣島を出港して11時過ぎに西表島を通過したあたりから揺れが大きくなりトイレに行くようになりました。
私は、朝食を食べる習慣がないため、胃の中は空っぽ、吐くモノがないので胃液を出すことになりました。
幸い、乗客が少なかったのでトイレは嘔吐渋滞を起こしませんでしたが、乗客率が100%だったら地獄絵図が広がることになります。
※トイレには嘔吐専用の設備が設置してあります
電動アシストがないと苦行になるサイクリング
14時半、大揺れの東シナ海を渡り船は目的地である与那国島に到着。
下船後は港に迎えに来てくれた宿の主人の車で宿泊場所に移動。
チェックインの手続きを済ませ、荷を解いて、船で一緒になった人と談笑して気づけば16時。私は次の日10時に石垣島行きの船に乗ることを考えると、与那国島に滞在できる時間は残り18時間。悠長にしていられません。
宿でレンタルサイクルを借りて島一周に出かけました。(返却時間が18時を過ぎるため24時間レンタル1500円を選択)
自転車は次の日まで使えても、街灯もろくにない島のため利用できる時間は2時間足らず。しかも、他の八重山諸島と異なり、与那国島は中央付近に200mの小高い山があり、島を横切る県道216号の一番高い標高は90mあります。
島一周27㎞、島を半周にしても中央は山道。談笑していた30分が悔やまれます。
私は与那国島最西端で、日本最後の夕日を見ることを優先して、島一周することを諦めて山越えコースを選びました。
登り坂が急で本当に苦行のようなサイクリングでした。
さらに、ドリンクを持参していなかったので、長時間の喉の渇きに耐えることになりました。島一周される方はドリンク持参で出かけてください。
島のマスコット与那国馬に癒される
山越えを終え、島の南側に出た路上で与那国島の在来種である「与那国馬」の群れに遭遇しました。体の高さが1mほど、ぼてっとした愛らしい馬です。かつては農家の貴重な労働力として活躍していた馬が役目を終えて今は島のマスコット的な存在です。馬は、人間を恐れる様子もなく、自転車の直ぐ横を通過していきます。
歩道や路上に大量の馬糞がてんこ盛り。なんとものどかです。
道路脇に生い茂るトゲのある植物を気にすることなくバリバリと食べる野生の強さを身近に感じました。
日本で最後に沈む夕日を眺めることができる西崎
サツマイモを横にしたような形をした与那国島。
西にせり出た西崎(いりざき)と呼ばれる岬の先に日本最西端の碑はあります。
石垣島まで127㎞、台湾まで111㎞。本当にここが日本で最後に日が沈む場所なのか。と考えると深い気持ちになります。
レビューは悪いがありがたい「民宿もすら」
私が宿泊した宿は「民宿もすら」、壁が薄いとはいえ個室で朝には食パン2枚、コーヒーをセルフで飲める。港までの送迎がついて1泊3500円。とっても良心的な値段だと思いました。
旅行サイトのレビューに「宿のご主人の態度がぶっきらぼうで‥‥」といったコメントが書かれていますが、私は、辺境の地で宿を営み続けてくれることに感謝でした。
宿泊客の大多数は、ハンマーヘッドシャークの群れを見るためやってきたダイバーの方やリピーターでした。与那国島は世界中のダイバーにとってのホットスポットなのだとか。
宿名の「もすら」の由来は、与那国島に生息する日本最大の蛾(ガ)「ヨナグニサン」が宿の外壁に描かれていたので、そこから名付けたのだと思います。
まとめ
1泊2日のせわしない旅でしたが、目的であった日本最西端から沈む夕日を眺めるミッションを遂げることができました。
石垣島に長期滞在していると週間天気予報を見て雨の日を避けて各離島に行くことができます。
今回は日本最西端でしたが、次回は日本最南端についてレポートしたいと思います。
与那国島を訪れた期間:2021年1月12~13日
与那国島、生方さんのブログで初めて知りました。一度行ってみたいです^_^
是非、機会がありましたら訪れてみてください。
日本最西端の西崎灯台の写真がきれいです!
与那国馬が野生にいるんですね。
野生の群れと遭遇するのは怖そうです。
馬の後ろに周ると蹴られるので気を付けてくださいね!
与那国島レポートはとても楽しかったです。神奈川県からはやはり遠くて旅行の選択でもやはり、時間とコストを考えてしまいと躊躇して選択から削除してしまう傾向にあります。
是非ともこの先機会があったらトカラ列島等の旅日記等も楽しみにしております。日本の秘境中の秘境なので私ではいけません(;_;)
トカラ列島、初耳です。
調べてみます。