死ぬ前に達成しておきたいことの1つに「バイクで日本一周」があります。
この夢を実現するために旅にでました。
バイクは買って間もないホンダ・ハンターカブ。
排気量125㏄、高速道路を走れないため3分割して周る予定です。
今回は西日本、九州、四国を周って日本海沿いで帰宅する予定。
本日9日目、鹿児島~宮崎までの移動です。
ツーリングのルール
(ア) 期間は5月2日~27日以内。
(イ) 搭載する荷物を減らすためにキャンプ道具なし、宿泊はビジネスホテルか旅館。
(ウ) 出発前の走行距離は500㎞。オイル交換後、初めてのロングツーリング、カブのいい点、悪い点を洗い出してブログにまとめる。
「知覧特攻平和会館」は日本人必見!
鹿児島で一番見ておきたかった場所は南九州市にある「知覧特攻平和会館」。
映画「永遠のゼロ」で注目された特攻隊ゆかりの地です。
正確にいうと「永遠のゼロ」のモデルは海軍航空隊の「零戦」、舞台は大隅半島にある鹿屋基地ですが、知覧基地はその陸軍航空隊版です。
知覧から出撃して戦死した隊員は439名。
記念館には、その他の陸軍基地から出撃して散華(さんげ)された隊員の写真や遺書など4500点が集積され展示されています。
鹿児島市内から知覧への移動はバイクで1時間、場所は薩摩半島の中心辺りになります。
特攻平和会館の入館料は500円。当時使われていた飛行機や兵器、制服等もみるこができます。
展示されている数点の遺書を読むと、当時の若者が命がけで国を守っていた気持ちが分かり、その立派さに目頭が熱くなりました。
また、当時の戦況や少年飛行兵の生活、出撃までの流れについて、知見を持つ方がスライドを見せながら説明してくれる「語り部」がとっても勉強になりました。
語ってくれた方は昭和26年生まれ、市役所勤務をされていた田代さん。
田代さんの説明で印象に残ったことは下記の内容でした。
・特攻に参加された方々は13歳で少年飛行兵となり3年間の教育を受けたのち17歳で出撃していった。
・基地上空にアメリカ軍航空機が飛来して銃撃してくることもあったので、特攻隊員や航空機、燃料庫は土嚢で覆われていた。
・一式戦闘機(通称:隼)は右翼に増設燃料タンク、左に250kg爆弾をつけ沖縄に旅立っていった。
・身の回りのお世話をしてくれた女学生達は、出撃を見送る際、涙を見せてはいけない決まりだったため、毎回、横を向いて見送っていた。
・天候不良、敵に遭遇しなかったときは基地に帰還することもあった。
私は、語り部が終わったあとに、元自衛隊員であったことを告げたうえで、個人的に質問をさせていただき、次のことが分かりました。
・特攻は初めの頃こそ効果があったが、回数を重ねるごとに敵艦艇は回避運動をとるようになったので命中率は各段に低下していった。
・飛行兵達の写真は軍人ではなく、新聞記者によって撮影されたモノである。
・米艦艇の被害状況の映っているフィルムは米軍の撮影したモノを使っている
戦争の悲惨さについて学ぶいい機会になるので、戦争を知らない全ての日本人に見てもらいたいと強く思いました。
桜島フェリーは片道15分、24時間運航
1時間かけて鹿児島市内に戻り、フェリーで桜島を目指します。
そうはいっても、鹿児島市内には5か所のフェリーターミナルがあり、土地勘のない私はどこに向かったらいいのか迷いました。
結局、ガソリンスタンドのスタッフに教えてもらい一番北にある乗り場にたどり着くことができました。
桜島の外周は36㎞、標高は1117m。意外に大きいうえにアップダウンがあるのでガソリンを多く消費することになります。
島に給油施設はありますが、営業時間や値段を考えると市内で給油を済ませてから渡る方が安心で経済的です。
桜島行きのフェリーは、受付でチケットを購入することなくいきなり車両甲板に乗せて客室に移動。15分の船の旅を楽しんだら車両甲板に戻って桜島に上陸。300m走った辺りに設置されている料金所で運賃を支払う仕組みです。
原動機付自転車を含めた旅客運賃は470円なので良心的だと思います。
鹿児島⇔桜島間を結ぶフェリーは24時間運航されていて、利用者の多い6時~19時は1時間に3~4本運行されているので大変に利用しやすいです。
桜島、活火山であるがゆえの問題点
桜島に到着したのは14時過ぎ、真夏のような天気だったため熱中症になる危険を避けるために島一周するのを諦め半周に変更しました。
しかし、桜島がキレイに見える「鳥島展望所」(からすじまてんぼうしょ)と「湯平展望台」の2か所には立ち寄りました。
島の西にある「鳥島展望所」は、昔は離れ小島でしたが大正噴火のときに大量の溶岩に埋め尽くされ桜島と陸続きになった珍しい場所です。
「湯平展望台」は桜島岳の4合目(標高373m)にある噴火口に最も近い展望台で、桜島の山頂付近をキレイに眺められる絶景スポットです。
展望台までの道中で「降灰時のスリップ注意」の看板を目にしました。
桜島周辺では、車の運転もそうですが、風向きによっては洗濯物を外に干せないなど活火山の近くに住むが故の苦労があることに気づかされました。
都井岬、夕日と御崎馬(みさきうま)に癒される
桜島から80㎞走行して、宮崎県の最南端、都井岬に来ました。
到着したのは18時、営業時間が終わる直前だったため入場料にあたる協力金は請求されませんでしたが、ゲートをでるときに「柵を必ず閉めるよう」念を押されました。
柵を閉め忘れると天然記念物の馬がエリア外にでてしまことがあるそうです。
都井岬は500ヘクタールの敷地に100頭以上の御崎馬(みさきうま)が放牧されています。
御崎馬の牧場が始まったのは300年以上前。人為的管理をほとんど加えることなく半野生の状態で現在に至るようです。
私は、高台にある風情ある白い灯台を見学したのち、日没までの時間、沈む夕日と馬を眺めることにしました。
やることに追われている現代人、キレイな夕日を見ることに時間を使える機会は年に何度もありません。とっても贅沢な時間です。
このときに出会った車で旅をしているご夫婦は、この贅沢な風景を観ながらコーヒーを飲み、そのまま車内で泊まって翌朝に朝日を観るのだとか。
なんとも羨ましい時間の使い方です。
都井岬の開門時間は 4~9月 8:30~18:00、10~3月 8:00~17:30。
協力金、自動車400円、二輪車100円。
まとめ
長年、気になっていた、知覧特攻平和会館、桜島、都井岬を自分の目で見ることができた大満足の1日でした。
19時に都井岬を離れ北上すること2時間半。60㎞走破して宮崎市内のビジネスホテルに宿泊。
次の日から2日間雨の予報だったためツーリングはお休み。その間に7月出版予定の書籍のゲラ確認をするとともに体を休めます。
本日の走行距離314㎞
知覧へいってみたくなりました。
歴史を学ぶ事は大切だと理解できました
ありがとうございました
知覧には、全ての日本人が行くべき場所だと思います