鹿児島市から552km南、サンゴ礁が隆起した沖永良部島の周囲は55.8km。
人口14000人。気候は熱帯、一年中温かい南国です。
主要産業は農業と漁業と若干の観光業。
親戚等がいなければ、わざわざ訪れる鹿児島県民がいないのが現状です。
私は毎年1月~3月、関東の寒さを避けるために海外の別荘で生活していますが、コロナにより行きづらい世相を配慮して、2022年は鹿児島~沖縄の離島巡りをしました。
今回は、沖縄本島に近い鹿児島の離島「沖永良部島」を原付バイクで一周した経験についてお伝えします。
沖永良部島の移動はレンタル
定期船の着岸する和泊(わどまり)港の南側が島一番の繁華街です。
宿泊施設やスーパー、食事処が充実しているので私はこのエリアに宿泊しました。
レンタルバイクを借りられる場所はバイク谷山モータース。
朝8時半から18時まで1日借りて料金2000円。
もちろん、燃料を入れて返す必要がありますが、周囲60㎞足らずの島を1日走行しても消費するガソリンは3ℓ。値段の高い離島で給油しても400円かかりません。
一人で離島を周るのに、レンタルバイクはコスパが高くて助かります。
バイク屋のご主人は昔堅気の職人気質。よそ者が近寄りがたい雰囲気がでていますが、島に関する疑問を尋ねると喜んで話してくれます。
島に生まれ育ち、会社を興してビル2棟まで築いた苦労人。ご主人の話が興味深過ぎて1時間も話し込んでしまいました。
毎回思うことは、島について深く知るのには、歴史を見てきたご老人から話を伺うのが一番。
ウジジ浜公園、日本人の立派な功績が残る
8時半に和泊港を出発。時計回りに島の外周道路を一周して観光地を訪ね歩く予定です。
最初に立ち寄ったのは、島の中心から6時方向にあるウジジ浜公園。
この公園は沖に並んでいる奇岩群が有名ですが、朝は逆光になるためシルエットでしか見ることができません。
むしろ、見応えがあったのが順光に照らされた「カナダ帆船リージCトゥループ号救助の碑」でした。
1890年(明治23年)、台風によりウジジ浜沖で大破した外国船乗員10名を救助した歴史を今に残すモノです。
この当時、見知らぬ地に流れ着いた者は、奴隷や家畜の扱いを受けて労働力として使われる時代、日本人は外国人を救助して祖国へ戻る手伝いをした。
優しい民族性を示す行いであり、日本の水難救助第1号とも言われる歴史を今に伝える大切な碑です。
もっと多くの人に、この事実を知って欲しいと感じました。
平成名水百選に選ばれた地元の水資源ジョキョヌホー
島の7時方向にある、地元の方に水を供給する貴重な場所。
水道が整備された現在も地元の方々の貴重な水源になっているのかは不明ですが、きちんと整備されているところをみるとなんらかの形で活用されていると思います。
外周道路から簡単に立ち寄れる場所なの、是非、立ち寄ってみてください。
奄美十景「田皆岬」の絶景
島の10時方向、東シナ海に突き出た田皆岬(たみなみさき)。
高さ50mの崖のうえに立つ白亜の矢護仁屋岬灯台(やぐにゃみさきとうだい)がいいアクセントとなり、奄美十景に数えられる雄大な景色を観られる場所です。
駐車場はもちろん、トイレも整備されている、この島1番の見どころだと思います。
沖永良部島にはハブがいないので、安心して周辺を歩けるのもありがたい。
西郷隆盛上陸の地、伊延港
島の1時方向に西郷隆盛が上陸した記念碑があります。
1862年、流刑人としてこの島にやってきた西郷さんが伊延港で下船して4kmの道のりを馬に乗ることを断って自分の足で和泊の牢屋まで移動した史実を示しています。
石碑の直ぐ近くに「西郷食堂」なる食事処があり海鮮料理を食べることができます。
フーチャ、潮が吹きあがる洞窟
フーチャとは『潮吹き上げ洞窟』を意味する島の呼び名。
島の2時方向の海岸に隆起したサンゴ礁が荒波で浸食されて作られた海岸が広がります。
1番の見どころは、縦穴型の洞窟が口を広げている場所から20~70mの潮が吹きあがる場所です。
奄美群島国立公園エリアに指定されるキレイな海岸ですが、風化したサンゴ礁の表面は鋭利な角度に削られているため転んだら大怪我することになります。
突発的な強風に煽られる、足元の細かい砂に脚を取られて転倒するなどお子さん連れの方は気を付けて下さい。
新日本銘木百選「日本一のガジュマル」
沖永良部島一周で一番インパクトがあったのが、日本一のガジュマルでした。
場所は島の2時方向にある国頭小学校(くにがみしょうがっこう)の校庭です。
旅系YouTuber「シゲさん」の番組を見たとき、立派な枝葉の広がり具合に驚いて訪問しようと思いました。
このガジュマルは、第一回卒業生により1898年植樹されたモノで樹齢は124年。
地域の方々に大切に手入れされ育てられたことが評価され、新日本銘木百選に選ばれ「日本一のガジュマル」の愛称で親しまれています。
間近で見るには校庭に入る必要があります。
正門をくぐると、直ぐ右手に職員室があります。職員に「ガジュマルを見学させてください」と念じながら指をさしながら会釈をすれば、笑顔で会釈し返してくれるので、それで校内に入れます。
もちろん、子供達と接触する可能性があるためマスクの着用は必須です。
1世紀以上子供たちを見守ってきたガジュマル。5~6本分の広い日陰を作り出すと共に子供達の遊び相手になる大木、考え深い思いになりました。
タラソおきのえらぶ
島一周を終えたあと、和泊港から1㎞南にタラソテラピーの施設が在ることが分かりました。
タラソテラピーとは、海水に浸かることで細胞を活発にする「海洋療法」と呼ばれる体のリズムを整える自然療法です。
施術が受けられる場所は全国的にありますが、本格的な施設の数は少なく希少性が高いため、バイクの返却時間まで時間があったので行くことにしました。
入場料1000円、レンタル水着300円、レンタルスイミングキャップ200円(合計1500円)。35℃の海水が満たされた細長いプールを歩いたり泳ぎます。泳ぎ疲れたらシャワーを浴びて帰宅する流れです。
地元の方は、大人一人50000円の年間パスを夫婦割90000円で購入して自宅のお風呂を止めて毎日通う人も多いようです。
まとめ
沖縄にほど近い鹿児島県の離島、沖永良部島。
沖縄のようなマッタリとした空気が流れています。
バイクを借りた福山モータースは基本的に年中無休。
日曜でも営業しているガソリンスタンドが近くにあるのでレンタルバイクで島一周することは可能です。
鹿児島から沖永良部島までのフェリー代は12570円。
行ったからには多くモノを経験して持って帰りたいものです。
沖永良部島滞在期間:2022年1月24~26日
沖永良部島、西郷さんもいらっしゃったとは、歴史もありそうです。バイクの免許があれば、なお楽しく回れそうです。バイク屋さんとの会話も楽しめるかもですね
50㏄バイクは普自免があれば乗れますよ!