億万長者の旅ブログ(インド、パキスタン、ネパール)

パキスタンの世界遺産「ラホール城」よりも見ておきたいごたえある旧市街

パキスタンの北東部、1200万人の人口を抱える第2の都市「ラホール」。
世界一大気汚染がひどい都市ともいわれ、マスクなしで30分街を歩くと喉が痛くなります。
インドの「アムリトサル」から国境を越えてきたのが昨晩。すぐに次の都市に移動するつもりでしたが、宿泊したホテルマネージャーと「ラホール」について話していると世界遺産が2つあることが分かり「立ち寄らないことは損」と考え、訪れることにしました。
今回は、パキスタン第2の都市「ラホール」の世界遺産についてお伝えしようと思ったのですが、世界遺産の隣り合った場所に在る旧市街が圧倒的に思い出深かったので、そちらの話をします。

ラホールに世界遺産が2つ存在する的背景

この町にある世界遺産は「ラホール城塞」と「シャーラマール庭園」。
「ラホール」は11世紀から繁栄してきた都市ですが、13世紀にモンゴル帝国に、14世紀にはティムール朝によって破壊された歴史があります。
現在残っている遺跡は16~18世紀に繁栄したムガル帝国の都がおかれていた時代の城塞、庭園、モスクです。
これらの建築物は、町の北側に密集しているうえにパキスタン独立と国家のアイデンティティを象徴するタワー「ミナレーパキスタン」が隣りあっているため徒歩で効率よく観光できます。

ラホール城塞(撮影:生方正)ラホール城塞(撮影:生方正)
バッドシャヒモスク(撮影:生方正)バッドシャヒモスク(撮影:生方正)

ガイドなしで世界遺産を周ることは損?

私は歴史的な建造物を観光するときにガイドを雇うようにしています。
ガイド料$10~$30を支払うことになりますが、歴史的背景や地元の人の考えを教えてもらいながら見学をしたいからです。
通訳は、ラホール城入り口付近で待ち構えていました。
向こうの言い値は「城とモスク2か所を案内して$30」。
私はラマダン中で来場者が少ないことを知っていたので半額を提示して成立させました。
炎天下の中、1時間半、2か所を見学し終えた後にガイドが持ち掛けてきた話は「旧市街を見学しないか?」。
私は次の町に移動するまで時間があったこと、ガイドは自宅方向の案内なので値段を下げられることから、旧市街も見学することにしました。

迷路のようなラホールの「旧市街」

旧市街は、細く入り組んだ路地が交差しています。
多くの歩行者が歩く隙間を縫うようにオートリクシャーやバイクが走り抜けるので気が抜けません。
バイクを運転する人の大半はヘルメットではなく、イスラム教徒の帽子。多分、警察の取り締まりもされていないのでしょう。
道の真ん中にマンホールのふたが転がっている、マンホールが口を開けている状態でも「危険」を促す標識も出されていません。
安全に関する意識が低いことが伺い知れます。

危険が潜む旧市街(撮影:生方正)危険が潜む旧市街(撮影:生方正)

道路が未舗装で風通しの悪い密集したエリアは砂埃が舞っているうえに、排気ガスが籠(こも)って空気が更に悪くなります。
また、あちこちの通りに大量のゴミが投げ捨てられ、低い衛生観念と言わざるをえません。
通訳曰く、路上のゴミは捨てる場所が決まっていて「毎日、清掃係がゴミを回収している」とのことでした。「であるならゴミ箱を設置した方が効率的なのでは?」と言いたくなりますが、何百年もこのスタイルで来た人達に言うだけ野暮です。

旧市街は、鍋や金属食器を売る店、履き物屋、米屋、豆屋、スパイス屋、アクセサリー、女性服を扱う店といったように商品ごとにエリアが分けられています。
また、家の軒先の屋台で野菜、ドライフルーツ、生きた鶏を取り扱う行商もいます。
全体的に安い価格で売られているようですが、商品によっては問屋のように値段が安く、イスラマバードやカラチなど他の大都市から業者が大量に買い付けにくるそうです。
また、ラマダン(断食月)が明けたとき、イスラム教徒は頭のてっぺんからつま先まで新品のモノを身に付ける必要があります。ラマダン明け直前は買い物客が旧市街に殺到して歩けないくらい賑わうそうです。

旧市街の街並み(撮影:生方正)旧市街の街並み(撮影:生方正)

旧市街の見どころは「デリー門」「ワジール・ハーンモスク」

旧市街は昔、お金持ちが住むエリアだった場所です。
城門に近いため城に通勤する人や商人に都合のよい場所だったからです。
現在も巨大なショッピングゾーンになっていて多くのお客さんが訪れるためそれなりに地価は高く、混沌としていても登記はしっかりされているそうです。
商店以外の見どころは、旧市街の中ほどにある高さ9mの巨大なレンガ造りの門です。
インドの「デリー」の方向を向いている門なので「デリー門」と呼ばれています。確かに門の向きは南東方向。地図を見ると直線400㎞先にデリーがあります。

デリー門(撮影:生方正)デリー門(撮影:生方正)

旧市街には複数のモスクも点在します。
中でも見応えがあるのは17世紀に建てられたワジール・ハーンモスク。
私が訪れたときは大規模修繕中で足場に覆われていましたが、色とりどりのタイルを組み合わせたモザイクが印象的でした。
モスクに入るためには入り口に陣取る係員に靴を預ける必要があります。
現地の方々は無料のようですが外国人は100PRs(50円)徴収されます。

ワジール・ハーンモスク(撮影:生方正)ワジール・ハーンモスク(撮影:生方正)
見事なモザイク(撮影:生方正)見事なモザイク(撮影:生方正)

まとめ

外務省の示す「ラホール」の海外危険情報レベルは「2」。
つまり、「不要不急の渡航は止めて下さい」。
私の年齢は52歳。10年後にバックパッカースタイルの旅が厳しくなることを想定してそれまでに、周っておきたいエリアを計画的に消化しています。
旧市街を歩いての感想ですが、全ての場所が安全だとはいいませんが、バイクの往来や密集エリアでのスリに気を付ければ1人でも問題なく周れる印象を持ちました。
もちろん、外国人に見せたくないエリアもあり案内をされなかった場所もあったと思いますが、イスラム教徒は旅人に親切なので旅をしやすい印象を持ちました。
行かれる方は、事前情報をしっかりと集めて体調を整えた状態で挑戦してください。

次回は、パキスタン北部「フンザ」までの長距離移動についてお知らせします。

訪問時期:2023年4月

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ABOUT ME
生方 正
生方正(うぶかた ただし) 明治大学サービス創新研究所研究員 高校卒業後に海上自衛隊に入隊。 海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。 撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。 勤務の傍ら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行い、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資等を実施することで「億」の資産を築く。  入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」をすべて達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。 著作:「高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法」(あさ出版)、「攻めの節約」(WAVE出版) 朝日新聞社Webメディア「telling」にて『ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール』を連載。 オンライン授業Schooでお金に関する授業を担当。 会員数900万人 ママ向けメディア「ママスタセレクト」では、生活コスト削減コンサルタントとして節約情報を配信中。 テレビ出演:AbemaTV「AbemaPrime」、BS朝日「南極日和」 ラジオ出演:NHK第1「小藪とみちょぱのとりしらベイビー」他 多数 掲載:「PRESIDENT」「女性セブン」「SPA」「日刊ゲンダイ」「マネー現代」「からだにいいこと」「アゴラ」「小学館8760」「AERA」「家主と地主」他 多数 YouTube:「本要約チャンネル」「フェルミお金大学」「越境3.0」「隣の金持ち探偵団」「【特撮と投資】ルネ岩田」「時間管理の専門家 石川和男の 『ビジネスパーソン・チャンネル』」「【沖本るり子の大部屋『著者の本棚』」「インベスターズTV」「朝カツ大盛り!!YouTubeライブ」         

POSTED COMMENT

  1. モーモーさん より:

    自分の年齢を考慮して、旅行されるとは、確かに、人生2度なしと考えると、納得しました。
    行けるうちに行動したいです^_^

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