『風の谷のナウシカ』のモデルとなったといわれるパキスタン北部のリゾート地フンザ。
そのなかかでも標高3394mの高台からフンザ渓谷を見下ろせる場所に建つのがイーグルネストホテル(Eagle’s Nest Hotel)です。
1泊$200~300する高級な宿泊施設ですが、素晴らしい景色を眺むために世界中から旅行者が押し寄せます。
今回は、イーグルネストホテルから眺める絶景についてお伝えします。
絶対に訪れたいイーグルネストホテル
イーグルネストホテルは、フンザの観光拠点カリマバードの中心部から東に2.5㎞の場所にあります。
実際に足を運ぶには、片道7~8㎞移動する必要があります。
私は、往復15㎞の距離を歩きたくなかったので片道1000PRs(500円)支払ってバイクでホテルまで送ってもらいました。
5分谷を下ったあとに15分坂を登りました。
勾配の厳しい道を排気量125㏄のバイクに大人2人乗りは快適ではありません。多分、タンデムシートに乗る人が体重80㎏以上のバイクに乗り慣れていない人だと、一番の急坂は登り切らない可能性があります。
山頂にあるイーグルネストホテルは、石と木で造られた立派な2階建の落ち着いた建物です。
施設は清掃が行き届き、英語を話すスタッフが気持ちのよい対応をしてくれます
レストランからの眺めが素晴らしいのですが、天気がよかったので屋上のテラスでドリンクを注文しました。
コーヒー1杯700~800円支払うことを覚悟していましたが、実際の値段は250PRs(125円)。ハーブティはさらに安くポットに入れて提供されるので量も多く満足できる内容でした。
Wi-Fiも24時間使え、とっても贅沢な時間を過ごすことができました。
外気温2~3℃のテラスに30分いたら体が冷えたのでレストランに移動して温かい飲み物を注文しました。
他のお客さんが誰もいなかったので、スタッフに話しかけて会話をしました。
分かったとこは次の2つ。
① ラマダン明けから大挙してパキスタン人観光客が訪れるが、それまでの宿泊の中心は中国人団体客
② このホテルだけでなく周辺の宿泊施設は冬の期間、完全に閉鎖される。
宿泊料金が高い理由は、冬季に施設を稼働できないことも要因のようです。
映える写真が撮れるエリア
1時間イーグルネストホテルを堪能した後、徒歩でカリマバードを目指しました。
往路にバイクで来たので復路は坂を下るだけで楽ちんです。
曲がる場所を頭に入れておいたので、道に迷うことも避けられました。
帰路に見たものは、樹齢数百年の桜の老木、満開の桜の花、草をはむヤギや牛、下校途中の小学生、薪を背中に背負って運ぶ老婆。
出会う人々がどことなく『風の谷のナウシカ』の登場人物にみえます。
なにより、7000mを超える山々に囲まれているため、背景に雪山が入るので写真が“映え”ます。
この地に住むフンザ族は、旅行者に尊敬の念をもっているために馬鹿にした態度をとる人に出会いませんでした。
世界中から観光客が訪れる場所なので一定数は「相場の分からない外国人からボッタクってやる」と思っている人がいると思っていましたが、そんな素振は微塵もありません。
ヤギ使いが隠し持っていたフンザウォーター
キャンプサイトと看板が掲げた敷地に1頭のヤギがつながれていました。
写真を撮っているとそこのオーナーが話しかけて来ました。
訛りのキツイ英語で会話が成立するのか心配でしたが、世界中のキャンプ好きが宿泊する施設のようでけっこうな語学力を有していました。
私は、この時とばかりに、フンザ周辺に関する疑問をぶつけることにしました。
① 冬のシーズン、この辺りの人は施設を閉鎖して下山すると聞いたが、それは本当か?
A:冬は道路が閉鎖されるので、自分以外の人は下山して標高の低い別宅で暮らす。
因みに、この方は、冬でも週に2~3回徒歩で自宅とキャンプ場を行き来している。
キャンプ場に暖房器具がないので、室内にテントを張ってその中で厚い毛布に包まれて猫と暮らしている。
②薄いピンク色をした岩塩が取れると聞いたが、そんな場所はあるのか?
A:「ときどき山に取に行って取っている」、「興味あるなら1欠片持って行っていいぞ」。
③ フンザウォーターと呼ばれるアルコールがあると聞いたがどこに行ったら手に入るのか?
A:アルコールは禁止されているが昔から醸造しているところは存在する。「飲みたいなら、今あるぞ!」
洋服ダンスの中から、洋服にくるまれた透明の液体が入った瓶が出てきました。
私は、少し分けてもらったあとにホテルで飲みたかったのですが、その場で飲むように促されて50㏄程頂きました。
アプリコットを蒸留した度数30以上はある強いものでした。
ホスピタリティ溢れるおじさんに会ったお陰で貴重な経験をすることができました。
幾ばくかのお金を渡して立ち去りました。
ラマダン中の給水ポイント
下山途中、所々にカフェやレストランを見かけます。
足を休め、喉を潤すために立ち寄りたかったのですが、ラマダン中なので「日中は閉店」と思いきや、ひっそりと営業されていました。
しかも、地元の方も通りから見えないスペースでチャイをたしなんでいます。
私は、見た目がよそ者なので、テラス席に案内され一服のチャイを頂きました。
7000m級の山々に囲まれた環境で適度な有酸素運動中に温かいお茶を飲む、なんとも贅沢な時間です。
しかも、チャイ1杯の値段は60PRs(30円)。
なんとコスパが高いのでしょう。
フンザ最高!
まとめ
山頂のイーグルネストホテルからカリマバードに戻るまで徒歩で4時間かかりました。
疲れよりも、長年の夢を達成することができた充実感で心が満たされました。
ホテルを出るときに「頂上付近は寒い?」フロントに確認したら、動物の毛で織ったマントを貸してくれたので寒さを耐え忍ぶことができました。
足に自信ある人以外は1日でイーグルネストホテル往復をすることは避けた方がいいと思います。また、下り用に1枚羽織るものを持って行くことをおススメします。
カリマバード滞在で、イーグルネストホテルの経路は一番優先順位の高い観光スポットだと思うので是非、足を伸ばしてみて下さい。
訪問時期:2023年4月
ナウシカのモデルがあったのですね
知りませんでした。行ってみたいと思いました
本当に参考にされた土地なのかは分かりませんが、言われることも納得な場所です。
百聞は一見に如かずです。