カリマバード滞在4日目、連日の観光疲れが溜まっていましたが、出かけないことがもったいないくらいの好天です。
顔見知りになった通訳(名前:ジシャン)に日帰りで周れる観光地を尋ねると、返ってきた答えは「ラカポシ」。
ホテルから見える標高7788m、世界で27番目に高い山です。
車ではなく、バイクを使うことで、ある程度の標高まで登ることができるうえに、通訳と2人乗りすることでドライバーを雇う必要もなくなります。
今回は、フンザにそびえ立つ名峰「ラカポシ」と道中のカラコルム・ハイウェイについてお伝えします。
フンザの給油は商店ののきさきで量り売り
10時半、通訳のジシャンが調達してきた排気量125㏄のバイクのタンデムシートにまたがり出発。
「ガソリンを給油する」と立ち寄った場所はガソリンスタンドではなく一軒の雑貨屋。
どのように給油するのか見ていると、店主が薄汚れたポリ容器に入ったガソリンを三角錐の容器に注いでいます。
計量に使っている容器はブリキ。満タン以外、正確に量れないと思うのですが買う方も売る方も細かいことを気にしないのがパキスタン流のようです。
パキスタンのド派手なデコトラ
次に立ち寄った場所は、ジシャンの実家。ヘルメットを被っていないと警察に見つかったときに罰金を課せられるので弟のヘルメットを借りるためでした。
ジシャンが実家に寄っている間に、興味を引かれたのは路肩に停車していたド派手な旧式トラックでした。
カラコルム・ハイウェイでよく目にするド派手なトラックを間近で見られる貴重な機会です。
車体の四方向に曼荼羅のような細かな装飾が施されているうえに、前後は鎖でデコレーションされています。走行中にぶら下がっている鈴や鎖が擦れるときに発せられる音が邪気を払う仕組みです。
積まれている荷物は、雑多な段ボール箱と家具。トラックの屋根の高さを1m以上はみ出る超過積載。
そもそも、“側アオリ”(荷台の側面)の高さは3m。
過積載でモノを運ぶことが前提のトラックです。
大量の荷物を降ろす5人の男が、写真を撮る私に関心を示し始めたタイミングで通訳が実家から戻ってきたので、話をすることになりました。
トラックは、首都「イスラマバード」の南「ラワールピンディー」から2人交代しながら休みなしで移動してきた。
その語り口は、トラックドライバーをしていることに誇りを持っている様子でした。
使われていたトラックは日野製。日本で20~30万km荷運びをしたあと、整備コストが見合わなくなって手放さしたものがパキスタンに流れ着いたのだと思います。
古くなった車両に過積載する改造を施し、休みなしで酷使しても動く。
世界中の人から日本車が信頼されていることがうれしくなりました。
本当なら、「装飾を外せば車体が軽くなるうえに空気抵抗が減る」。
「定期的にエンジンを休ませることで車の寿命を延ばせる」ことを伝えたかったのですが、彼らに分かってもらえないと判断してお礼を言って立ち去りました。
「ラカポシ」ベースキャンプとクリケット場
通訳が手にしていたヘルメットは1個。運転する人だけ被っていれば警察にとがめられないのだとか。いい加減なルールに苦笑い・・・。
カラコルム・ハイウェイを西に進むこと40㎞。「ラカポシ」のベースキャンプに向かう枝道に入りました。
ベースキャンプ1からバイクで山道を進むこと5㎞。
急坂を徒歩移動すること400m、標高2580m地点に整備された公園がありました。
あっちこっちに馬糞が落ちていたので乗馬場かと思って尋ねるとクリケット場でした。
名峰「ラカポシ」の高さの1/3の麓(ふもと)から頂上をキレイに望むことができる絶景スポットです。
トイレも整備されているので、ラマダン中でなかったら、お弁当を持参してゆっくり2~3時間過ごしたかったくらいです。
結局、お店が1軒もなかったので、30分探索して下山しましたが、キレイな景色を眺めることがができました。
桜と杏子が咲き乱れるカラコルムハイウェイ裏街道
帰路、ジシャンが「『舗装道路』と『未舗装道路』どっちで帰るか選べ」と言われました。
舗装道路は移動が快適でも景色はぱっとしない。
未舗装道路はガードレールが設置されていないので、一歩踏み外せば崖下に真っ逆さのリスクがあるが谷を見下ろせる絶景が続く。
私は往路の移動で、ジシャンのバイク操縦がとっても上手いことが分かっていたので未舗装の道路を指さしました。
未舗装の道は、ハンザ川を見下ろす高台にある村を結ぶ生活道。
4月上旬の日中の外気温、2~4℃。桜や杏子の花が咲き誇こるなかフンザで暮らす人々の長閑な生活を覗くことができる思いで深いツーリングを堪能することができました。
まとめ
今回の「ラカポシ」ツーリングの費用はガソリン代込みで4000PRs(2000円)。
とってもお得な値段で貴重な体験することができたので、戻ったときに感謝を込めて通訳に食事を御馳走しました。
国際免許証を携行していたので自分で運転することも考えましたが、勝手の分からない道路に操作が異なるバイク。無保険で運転するのは危険と判断して思いとどまりましたが、通訳のお陰で最高のタンデムツーリングを満喫することができました。
訪問時期:2023年4月
タンデムでの旅行もいいですね
一度行ってみたいです
子供と周れたら最高の教育と思い出になりますね