気候が涼しくゆったりとした時間の流れるキャンディ。しかし、早朝に決まって、お経のような歌声が、大音量で町中に流されます。
この安眠を妨害する原因を調べると、市内にある、お釈迦さまの歯を祀っているお寺が行っている儀式だということが解りました。
今回は、この仏教儀式とその周辺にある活気あるマーケットについてお伝えします。
黄金の容器に入れられたブッダの歯を祀る世界遺産「仏歯寺」(ぶっしじ)
キャンディが世界文化遺産に登録されたのは1983年。仏歯寺、王宮建造物群を含む文化財が評価されたことが大きな理由です。
ときの権力者はなぜ、立派な仏歯寺を建立させたのでしょうか?
私が考えるに、王様がお釈迦様の歯を所有していることを誇示することで自分の権威を高めたかったのだと思います。実際に遺歯がどれくらい災いを遠ざけるのに効果があるかは解りませんが、国民から尊敬されるポジィションが築ければ王家は安泰です。つまり、王家及び国家を安泰させるために、大量の国家予算を投じ寺を建立したのだと思います。
ちなみに、仏舎利容器は黄金でできた仏塔の形をしており、各種宝石があしらわれた金のチェーンでデコレーションされた豪華なモノでした。肝心の仏歯は黄金の7重の小箱の中に1本奉納されているらしいです。
1日3回、仏歯寺で執り行われている神聖な儀式プーシャ(祈りの儀式)
仏陀の左糸切り歯が祀られている、ここ仏歯寺は、世界中の仏教徒がお参りにやってくる聖地の1つです。1日3回「プーシャ」と呼ばれる賑やかな祈りの儀式が取り行われます。
6時に始まる1回目は早朝にも関わらず多くの人がやってくると聞いていたので、5時半に寺入りしました。外国人は受付で入場料1500ルピー(900円)を支払い、靴を預けて素足になります。ここから先は帽子を脱ぐ必要もあります。
スリランカの仏教徒の方々は8割が上下白い服装、1割強が上下どちらか白い服装。色の付いたサリーやポロシャツを着た人は極少数なので、旅行者といえども白っぽい服装で参加される方がよさそうです。
お堂まで続く通路には天井や壁に細かい絵や彫刻が施されていて宗教的な意味を語っています。
儀式が執り行われるお堂は儀式の始まりを待つ人、供物や花、祈りを捧げる人で溢れかえっています。
5時45分(撮影したスマホの写真データを参照)勢いある太鼓の音色が黄金の室内に鳴り響きその後にラッパの演奏が奏でられます。
その後、仏歯が奉納されている黄金の小部屋の扉が開き仏舎利容器を見学することができます。
人々が大量に押し寄せているので容器が見れる時間は精々20~30秒ですが、神聖なモノを拝見する張り詰めた空気感が刺激的でした。
※仏舎利容器が安置してある室内の撮影は禁止されています
活気溢れる地元市民の台所、キャンディ・セントラルマーケット
プーシャの後は、日も昇り明るくなっているので寺の外観を眺めたあとにキャンディ湖畔をゆっくりと散歩しながらセントラルマーケットに行くのがお勧めです。
キャンディ駅から徒歩5分の好立地にある大きな市場です。
中庭を取り囲む二階建ての建物。1階に果物、コメ、肉、魚などを取扱う店舗、2階は衣料品などが多かったと記憶しています。スパイスや紅茶などのお土産を売っている店はどちらの階にもありましたが、客の多い1階のお店は価格が割高に設定されていました。
大量の生肉や魚、小魚やエビなどの乾物などを取り扱う店の近くでは、口に手を覆いたくなる所もありますが、肉屋の店主のスキをついて売物の肉を盗もうとするカラスとの闘いに笑みがこぼれました。
売り物が少なくなる午後のマーケットは活気がなくなるので、プーシャ後に行くのが丁度よいタイミングになります。
まとめ
「キャンディ」の3大名物は、世界遺産の「仏歯寺」、日用品からお土産が揃う活気溢れる「セントラルマーケット」、特産品である「紅茶」。
どの観光スポットも歩いて移動できる距離にあります。地図アプリが使える方はなるべく徒歩で移動してみてください!その方が、本当のキャンディを知ることになります。
スリランカに滞在した期間:2019年1月4日~16日
この後、電車でエラに移動