沖縄1人旅、グルメと観光を重視したワーケーション

「鳩間島」泥棒とカラスのいない長閑な離島【沖縄】

石垣島のある八重山諸島は、有名観光地のある竹富島、西表島、小浜島、日本最西端の与那国島、最南端の波照間島を優先的に旅していくと一番最後に残るのは、訪問目的に乏しく、アクセスの悪い鳩間島になります。
今回は、来島者が竹富島の1/120以下、「離島の中の離島、鳩間島」についてお伝えします。

離島の中の離島、鳩間島

鳩間島(はとまじま)は、西表島の北5.4kmに位置する珊瑚礁が隆起してできた円形の島です。

島の人口は50人。島の主要産業は漁業、農業、観光業です。
島へのアクセスは2社のフェリーが朝夕1便ずつ西表島の上原港と鳩間港を結んでいます。1日2便あるとはいえ、他の八重山諸島と比べると格段に運行本数が少なく、離島の中の離島と呼ぶのにふさわしい島です。
私がこの辺境の地を訪れた理由は、各八重山諸島を観光して、まだ訪れていなかったのが鳩間島であり、どんなところか興味がわいたからでした。

鳩間島内の移動は、徒歩がオススメ

漁業で栄えていた頃は500人以上の人口があった鳩間島。漁船の性能が高まり遠洋まで足を伸ばせるようになると漁師が不便な離島で暮らす理由もなくなり島の人口は減少しました。
新しい建物を建てるのに建築資材を石垣島から輸送する必要があり、建て替えコストが高い。こんな背景もあり鳩間島は古い集落が今も残っています。
外周道路は未舗装。南国の植物に覆われ、ヤギやカニなど野生動物に出くわします。
私が訪れたのは6月下旬、梅雨明け直前の強烈な炎天下の中、パイナップルに似た形の植物”アダン”の実があっちこっちで甘い匂いを発していました。
別の島で「アダンの実はヤシガニの大好物ではあるが、人間が食べるのには硬すぎる」と聴いたことがありました。しかし、1つ引き抜いて口にしたところ、甘さ抑え目の”柿”の味がしました。採る労力に対して食べられる部分が少なすぎるので好んで食べようとは思いませんが、旅のいい思い出をつくることができました。
※アダンは、アクが強い植物のためたくさん食べるとお腹が痛くなるそうです、本来、人間が積極的に口にする代物ではありません。

島を周るのにレンタルサイクルを使っている人を数人見かけました。
島の外周は3.9㎞。島の中心にある灯台や集落を周っても1日の移動距離は6~7㎞。
どんなに急いで周ったところでフェリーの出発時間16時以外選択肢がありません。
わざわざ500円を出して自転車をレンタルして、そそくさと見て周る必要はありません。是非、徒歩で探検気分を味わいながら日頃の運動不足の解消をしてみてください。

ただし、紫外線対策を忘れないでください。鳩間島は紫外線量が多いうえに、白い砂の照り返しがあるので思ったよりも体力を削られることになります。

アダンの実(撮影:生方正)アダンの実(撮影:生方正)

島のアクティビティはキレイなビーチと不便さを楽しむこと

島一番のアクティビティは海水浴やシュノーケリングです。
サンゴが砕けた白い砂、透明度の高い青い海が広がるビーチを殆ど貸し切りで使うことができます。
私はあいにく、海水パンツを持参していなかったので、西表島で知り合った旅行者と5か所のキレイな砂浜、武家屋敷跡、島の小高い丘に建てられた鳩間島灯台、集落を見て周りました。
島を一周して分かったことは、島内にコンビニはもちろん、商店やガソリンスタンド、ゴミ箱が存在しないということです。
あったのは、小中学校、ダイビングショップ、食堂2か所、民宿数か所、小さな郵便局、ヘリポートでした。郵便局にはATMがなく、局員にキャッシュカードを手渡して暗証番号を入力すると出金できる、そんな仕組みでした。
不便なことを経験することで、日常生活の便利さや有難味に気づく。
離島ならではの貴重なアクティビティを経験することができました。

鳩間島にある古民家(撮影:生方正)鳩間島にある古民家(撮影:生方正)

あるだけでありがたい、競争原理の働かない地元の食堂

炎天下の中5㎞も歩けば腹が減ります。
そこで、困ったのは食べるお店が簡単に見つからなことでした。
友人から聞いていた食堂を訪れたら改装中のため休業。
他の店を探しても看板が設置されているワケもなく、地元の人に聞きたくても炎天下に歩いている人はいないのです。
そもそも人口が少ないので、地元の方に出会いません。
やっと、カフェらしきお店を探しあて入店することができました。
といっても、シェイドがついているオープンスペース。しかし、食べ物にありつけるだけで感謝できる腹ペコ状態でした。
私が注文したのは”八重山カレーそば”お値段800円。
店がひしめきあい生き残りをかけた店舗がしのぎを削る都会は、お客にとって大きなメリットであることだと認識することにも‥‥。

八重山カレーそば(撮影:生方正)八重山カレーそば(撮影:生方正)

島にないモノは「泥棒」と「カラス」

鳩間島に到着したときに背負っていたバッグを預ける場所がないか、フェリー乗り場の職員に聞いたところ「そこに置いときゃいいよ」「この島に泥棒はいない」。
他の八重山諸島であれば始発から最終が出港するまでチケット売り場に人がいるのにこの島は朝夕の便があるとき以外、乗り場は無人になります。それでも荷物は無事だと太鼓判を押したのでした。結果は6時間放置しても触られた形跡もありませんでした。
離島に来て古き良き日本を知った気になりました。
ちなみに、カラスもいないと聴きました。カラスの行動範囲は半径10㎞あるようです。つまり、5㎞南の西表島にもカラスがいないということになります。
これについては、次回、行く機会がありましたら聞き込みをしてみたいと思います。

まとめ

鳩間島を訪れる理由は「キレイなビーチリゾート」「満天の星空を眺める」「釣り」などがありますが、一番の理由は「周りの人が訪れないマイナーな島に行った」実績作りだと思います。
冬場は低気圧、夏は台風の影響によりフェリーが欠航になることも多いようです。
日帰りのつもりで訪れたら帰りのフェリーが欠航して4~5日間足止めされた。十分な現金がないうえに郵便局のキャッシュカードを持っていない。こんなことにならないように離島を訪れる際は食料と現金を確保して訪れるようにしてください。

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生方 正
生方正(うぶかた ただし) 明治大学サービス創新研究所研究員 高校卒業後に海上自衛隊に入隊。 海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。 撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。 勤務の傍ら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行い、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資等を実施することで「億」の資産を築く。  入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」をすべて達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。 著作:「高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法」(あさ出版)、「攻めの節約」(WAVE出版) 朝日新聞社Webメディア「telling」にて『ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール』を連載。 オンライン授業Schooでお金に関する授業を担当。 会員数900万人 ママ向けメディア「ママスタセレクト」では、生活コスト削減コンサルタントとして節約情報を配信中。 テレビ出演:AbemaTV「AbemaPrime」、BS朝日「南極日和」 ラジオ出演:NHK第1「小藪とみちょぱのとりしらベイビー」他 多数 掲載:「PRESIDENT」「女性セブン」「SPA」「日刊ゲンダイ」「マネー現代」「からだにいいこと」「アゴラ」「小学館8760」「AERA」「家主と地主」他 多数 YouTube:「本要約チャンネル」「フェルミお金大学」「越境3.0」「隣の金持ち探偵団」「【特撮と投資】ルネ岩田」「時間管理の専門家 石川和男の 『ビジネスパーソン・チャンネル』」「【沖本るり子の大部屋『著者の本棚』」「インベスターズTV」「朝カツ大盛り!!YouTubeライブ」         

POSTED COMMENT

  1. モーモーさん より:

    離島を訪れる際は、現金と食料、重要ですね
    参考になりました。

  2. 宇海 より:

    「泥棒がいない」と言い切れる場所があるのですね。
    星空を眺めに行ってみたい島ですが、現金と食料,天候をしっかりと調べる等、準備が必要なところだと思いました。

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