世界自然遺産「奄美大島」グルメと観光、一人旅

世界遺産を堪能「ジャングルナイトツアー」【奄美】

2021年7月に世界自然遺産に登録された「奄美大島」
認定を受けたのは「マングローブの原生林」と「アマミノクロウサギが生息している場所」くらいの認識で訪問しましたが、事実は異なりました。
世界自然遺産に登録されたのは島の中心よりやや南にある「金作原(きんさくばる)」と言われる亜熱帯性気候が造りだした原生林のエリア。
今回は「古仁屋」にある名物ゲストハウスが実施しているオリジナルツアー「ジャングルナイトツアー」についてお伝えします。

世界遺産を堪能できる「ジャングルナイトツアー」

数ある宿の中から「昭和荘」を選んだのは、旅系YouTuber「しげさん」が宿泊している映像を見て雰囲気がいいと感じたからです。
1室を3人で使うドミトリー形式の安宿ですが、フェリー乗り場や繁華街に徒歩で行ける立地で1泊2200円。
建物が古くて不便な面もありますが宿泊費を考えたらむしろ感謝です。
この宿に泊まって一番良かったのは、宿主催の「ジャングナイトルツアー」に参加できたことでした。
世界自然遺産に登録されたメインの場所は亜熱帯性気候が造りだしたジュラシックパークにでてくるような原生林です。
個人で行く場合、ジープを手配して土地勘のない山道を運転することになるうえに、有毒動物に遭遇した場合、対処が必要になります。
「昭和荘」主催のツアーであれば、これらの問題は一気に解決。
説明付きで世界自然遺産を堪能することができます。

奄美大島のジャングル(撮影:生方正)奄美大島のジャングル(撮影:生方正)

雨天こそ参加したい「ジャングルツアー」

宿泊した3日目の夜に「ジャングルツアー」に参加しました。
ツアー代は6800円、当日の参加者2人(MAX3人)。
19時に宿のご主人が運転する四輪駆動車(ジムニー)に乗り込みます。
10分走れば民家はなくなり、20分経ったら山道、30後にはジャングルの中です。
ジャングルに入る前に個人で利用するペンライトとレーザーポインターが渡されて下記注意事項が達せられました。
・ 珍しい動植物に遭った場合、停車してレーザーポインターで示す
・ 毒蛇”ハブ”が生息しているため、下車は安全確認がとれたあと
亜熱帯植物が生い茂る真っ暗な道を車のヘッドライトで進むだけでスリル満点です。
特に、雨が降っているときは危険度が増すため体の中でアドレナリンが分泌されているのが分かりました。
また、雨が降ったあとは、動物の動きが活発になり路上にでてくる確率が高まるようです。
つまり、ツアーの最中に雨に降られることは「冒険を盛り上げてくれる“恵の雨“」なのです。

絶滅危惧種「オットンガエル」(撮影:生方正)絶滅危惧種「オットンガエル」(撮影:生方正)

「アマミノクロウサギ」天敵は“野生化した猫“

ジャングルには多くの動物が生息していますが、車の気配を感じると逃げてしまうため一瞬の姿を見逃さないようにフロントガラスに顔を近づけて集中します。
今回のツアーで見ることができたのは「アマミノクロウサギ」「ハブ」「ヒメハブ」「オットンガエル」。
日本の特別天然記念物第1号に認定された「アマミノクロウサギ」は5回遭遇しましたが、すぐに茂みに隠れてしまうため映像に納められませんでした。

移動中は、ドライバーから周辺の動植物についての説明を聴くことができます。
”ハブ”退治のために放たれたマングースが”ハブ”ではなくにウサギを捕食していた。
ペットとして飼われていた猫も野生化するとウサギを狙う。
世界遺産の認定をとるために、これらの害獣を捕獲するワナを設置することで時間をかけて生態系を戻してきた。

世界には50種類のウサギが生息しているが鳴くウサギは「アマミノクロウサギ」だけ。
ジャングルの中で「キィー」こんな感じの声を一度聴くことができました。
ツアー中は、目ばかりでなく耳にも神経を張り巡らせる特別な時間でした。

ジャングルの中を走行するジープ(撮影:生方正)ジャングルの中を走行するジープ(撮影:生方正)

ハブの捕獲と報奨金【奄美】

「アマミノクロウサギ」よりインパクトがあったのは”ハブ”に遭遇したことでした。
道路脇の茂みに潜む”ハブ”を見つけたご主人は車を停めて捕獲に移りました。
残念ながら、草に邪魔され取り逃がしましたが、筋肉質で運動能力の高い”ハブ”はジャングルの生態系の頂点であることを肌で感じました。
ツアー中、3匹の”ハブ”を捕獲することもあれば1匹も見ないこともあるそうです。捕獲こそできませんでしたが遭遇できたことに感謝です。
ちなみに、捕獲した”ハブ”を市役所に持ち込むと1匹につき3000円の報奨金を受け取れるのだとか!
ご主人は多い年100匹以上捕獲することもあるそうです。

昔から人々に恐れられた”ハブ”、多くの島民が咬まれ命を落としてきた歴史があります。
しかし、恐ろしい毒蛇が生息地していた場所だから豊かな生態系が破壊されることなく残っていたので世界遺産の認定を受けることができた。
便利な生活を追い求めるだけでなく、自然と共存する大切さに目を向ける必要があることを考えさせられました。

茂みに逃げ込むハブ(撮影:生方正)茂みに逃げ込むハブ(撮影:生方正)

まとめ

このツアーに参加したことで、ジャングルの恐ろしさの片鱗を伺い知ることができました。
自然の中で人は無力、夜のジャングルに置いて行かれて無傷で生還できる人は稀であることが分かります。
奄美の世界遺産の大部分はマングローブではなくジャングル。
機会があったらもう一度参加したいと思うツアーです。

奄美大島滞在期間:2021年9月2~9日

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ABOUT ME
生方 正
生方正(うぶかた ただし) 明治大学サービス創新研究所研究員 高校卒業後に海上自衛隊に入隊。 海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。 撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。 勤務の傍ら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行い、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資等を実施することで「億」の資産を築く。  入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」をすべて達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。 著作:「高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法」(あさ出版)、「攻めの節約」(WAVE出版) 朝日新聞社Webメディア「telling」にて『ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール』を連載。 オンライン授業Schooでお金に関する授業を担当。 会員数900万人 ママ向けメディア「ママスタセレクト」では、生活コスト削減コンサルタントとして節約情報を配信中。 テレビ出演:AbemaTV「AbemaPrime」、BS朝日「南極日和」 ラジオ出演:NHK第1「小藪とみちょぱのとりしらベイビー」他 多数 掲載:「PRESIDENT」「女性セブン」「SPA」「日刊ゲンダイ」「マネー現代」「からだにいいこと」「アゴラ」「小学館8760」「AERA」「家主と地主」他 多数 YouTube:「本要約チャンネル」「フェルミお金大学」「越境3.0」「隣の金持ち探偵団」「【特撮と投資】ルネ岩田」「時間管理の専門家 石川和男の 『ビジネスパーソン・チャンネル』」「【沖本るり子の大部屋『著者の本棚』」「インベスターズTV」「朝カツ大盛り!!YouTubeライブ」         

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