「シーギリヤ」、「ボロンナウワ」、「キャンディ」と旅を続けること1週間。残り9日間をどこで過ごすのかは未定。しかし、世界遺産がある南の港町「ガル」には訪れたい。
また、既に訪問した都市を通らないようにするのにはスリランカを時計周りに進む必要があります。そこで困ったのは「このルートに関する情報が少ない」こと。
今回は、「キャンディ」~「エラ」間の、あまり知られていない「ノロノロと進む高原列車の旅」についてお伝えいたします。
1.列車に乗る予定のない人でも立ち寄ってみたいキャンディ駅
「キャンディ」から直線で70㌖南東方向に有名な避暑地「エラ」という場所があります。「キャンディ」からの列車は1日3本、朝9時出発の乗車券を確保するために7時にホテルを出てキャンディ駅に向かいます。7時10分、駅に到着。窓口が開く前なのに既に10人以上の西洋人が列をなしていました。
2等席と3等席、クラスによって販売窓口が異なります。ちなみに2等(セカンドクラスの自由席)の乗車券は200ルピー(120円)。営業距離が150㌖であることを考えると激安です。
ちなみに、キャンディ駅はスリランカ第2の経済都市の駅舎だけあり鉄筋コンクリートでできていて立派です。敷地内には地方都市ではなかなかお目にかかれないATMもあります。旅の資金の入手にカードを使う方にとっては大変に役立つ場所になります。
駅には改札口がないので、ホームに行くことも列車に乗ることも可能です。もちろん、出発したら検札が行われますが、鉄道の旅をしない人でも、停車中の客車内に入り雰囲気を楽しむことは可能です。
2.時速30㌖で進む客車内は戦後の日本?
スリランカに鉄道が導入されたのは1858年。内陸部のプランテーションで栽培されたコーヒーや紅茶の輸送を目的にイギリスが敷設したのが始まり。とはいえ、いまだに電車ではなくディーゼル機関車。牽引車も客車も古いモノが多くレトロ感満載です。
6時間半かけて150㌖の道のりを進む列車の平均時速は25㎞。駅で停車することを考慮すると移動速度は時速30㌖。緩いスピードで進んでいることもあり、窓を開けると高原の心地よい風が車内に流れます。
乗客は車窓から手や顔を出し放題、見ているこちらがゾッとします。なぜなら木や硬い草が窓に当たることもあったからです。
ゴミは窓からポイポイと投げ捨ててしまいます。フルーツの皮や落花生の殻だったら自然循環されるから良いのですが、プラスチックは長期間残るので、せっかくの素晴らしい景観を汚してしまうのがとっても残念。
車内には30年くらい使っているであろう扇風機が所々に設置されています。
誰も掃除をしていないと見えて、真っ黒いホコリが信じられない厚味に積み上がっているのには驚きました。
3.特等席から眺める高原地帯に広がる紅茶畑
2等と3等の座席しかない列車でしたが、1番の人気席は客車の出入り口の直座りだと思いました。走行中でもドアが開けっ放しなので、広大な山や谷、茶畑や村を間近で見ることができるからです。
私は、いい写真を撮るために何度か入り口付近に行きましたが、指定席のごとく現地の方々が座っていて、隙いる間もありませんでした。
もちろん、人が乗り降りする停車中は場所を空ける必要がありますが、雨の吹き込む雨季でなければ本当の特等席だと思いました。
あと、驚いたのは多くのスリランカ人が車窓からの眺めを楽しんでいたことです。「見慣れた風景なら感動も薄いだろう?」と思っていましたが、彼らの素直な気持ちに温かいモノを頂けました。
「キャンディ」~「エラ」間で驚いたことは、駅にプラットフォームがないことです。もちろん、ターミナル駅には設置されていますが、ローカルの駅は地面がコンクリート打ちされているだけ、酷いところは、看板だけあり小屋さえ見当たらない駅もありました。乗客は手助けし合いながら垂直ハシゴで列車の乗り降りをしています。
戦後の日本もこんな感じだったのかなぁ~!「文明の力」に感謝できる貴重な1日でした。
まとめ
150㌖の移動に6時間半、切符を購入するところから考えると8時間以上。移動手段というより、この電車に乗ること自体が立派なアトラクションとして成立している気がしました。
スリランカ滞在1週間の旅程では、このルートを入れ込むことは難しいので、是非、滞在期間を10日以上にして訪れてみるのはいかがでしょうか?
スリランカに滞在した期間:2019年1月4日~16日
この後、「エラ」に滞在
乗車券が150km、120円なのは驚きです。写真からもレトロ感と高原の風が伝わってきます。列車アトラクションに乗りたいなと思いました。
宇海さん、コメントありがとうございます。
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