億万長者の愛車ホンダ・カブ

ハンターカブ リコール無償修理はユーザー任せ?

10月23日ハンターカブのリコール修理を受けてきました。
人生初のリコールを経験したことで、リコールについて考えるいい機会にもなりました。
企業が自社製品の不具合を認めて改修工事を案内することは勇気のいることです。
しかし、対処しておかないとさらに大きな問題を引き起こす可能性があると判断したからリコールに踏み切ったのです。
つまり、「自分のバイクは大丈夫だ」とは思わないで早目の交換をすることが必要なのです。
私は恥ずかしながら、そこまで真剣に受け止めていませんでした。
是非、下記の交換までの流れを一読してみてください。

人生初のリコール

2021年10月15日、カブ主である友人がハンターカブのリコールがでたことを教えてくれました。
調べると、製造元のホンダが「CT125(ハンターカブ)」のギヤチェンジペダルに不具合があるとして10月14日、国土交通省へ改善対策を届けたことを公表していました。
また、15件の不具合があったが事故は発生しなかったことも付け加えられていました。
問題となったパーツはギヤを替えるときに足の力を伝えるペダルです。
ブレーキやアクセルではないので事故に直結する可能性は高くありませんが「夜間、山道を走行中にペダルが脱落」助けを呼ぼうとしてもスマホの電波が圏外。このようなシュツエーションを考えるとゾッとします。
10月下旬に東北方面へツーリングに出かける計画があるため、出発前に交換を終わらせられるように行動しました。

ホンダから送られてきた封書(撮影:生方正)ホンダから送られてきた封書(撮影:生方正)

交換が終わるまでのメーカーや修理業者の対応

11月18日 バイクを購入したレッドバロンから「改善対策に関するハガキ」を受領
11月19日 レッドバロンに電話をしたところ、部品が届くまに3日かかるので22日以降の修理で日程調整
11月21日 ホンダから「無償修理実施のお願い」封書を受領
11月23日 都内のレッドバロンにて交換修理完了

交換用のチェンジペダルは従来の結合部分の溶接を増やした強度を高めたモノなので、交換作業も30分程度で終わりました。
もちろん、リコールなのでユーザーの修理費の負担は0円ですが、修理担当に聞いたらところ工賃は2000円強だといってました。

バイク修理店は、新しいチェンジペダルを取り寄せて、25分の交換作業を実施。交換後に古いチェンジペダルをメーカーに返却すると修理費が支払われるようです。
もちろん、製造元であるホンダがこの費用を支払うほかに、改善した部品を無料支給。また、それに関する事務手続きが発生するほかに企業イメージが低下します。

※リコール修理を終えると、以前は改修終了を示すシールが貼られていたようですが、今は貼られなくなったようです。

無償修理実施中の愛車(撮影:生方正)無償修理実施中の愛車(撮影:生方正)

リコールがでても儲かっているホンダ

今回のリコールの対象になったハンターカブの台数は1万9409台。
1台当たりの修理費が2200円、交換パーツが1500円だった場合、全ての対象車両を交換しても工賃4269万円、パーツ2911万円。合計7180万円です。
それに対してハンターカブの本体小売価格は税抜き40万円。小売店に8掛けで下していると仮定すると1台32万円。32万円×1万9409台=77億円以上売り上げがあったことになります。
つまり、今回のリコール改修費用は売上に対して1%未満の金額で収まったのですから御の字だったと考えます。

工業製品を完全な状態で出荷することは不可能です。
市場で使われて、初めてバグが見つかることはよくあることです。
しかし、私が初めてリコールを経験して感じたことは「ユーザーに任せ過ぎ」であることです。
製造元である大企業はリコールに関する対処方法等を表記した封書を購入者に送り、交換の日程調整や移動に関することはユーザーに丸投げ。
リコールとは、設計や製作過程に問題があったと認めたメーカーが保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うための措置です。
つまり、製造側はユーザーに積極的に改修工事をしてもらうように努める必要があるのです。
「無償修理実施のお願い」の中で「ご迷惑をお掛け致しますことを心より不悪お詫び申し上げます」と謝罪コメントが入っているだけで実際の行動はともなっていない印象を受けました。

交換後のチェンジペダル(撮影:生方正)交換後のチェンジペダル(撮影:生方正)

リコール隠しする企業体質の原因は責任の所在?

ハンターカブはタイで製造されたバイクだったから「リコールをだしやすかった!」
そんな噂を耳にしました。
逆に国内で設計から生産まで一貫している製品は、リコールをだすと誰かが責任をとる羽目になるからだしづらいのだとか。
1995年7月1日にPL法(製造物責任法)が施行される前は、製造したメーカーの責任はなく、購入者が自費で不具合を修理していました。
それを考えると正直にリコールをだしてくれるメーカーは、ユーザーフレンドリーであり日本の道路事情にとってありがたいと考えることもできます。
どちらの立場で物事を見るかによって評価は全く逆になるこの問題。
皆さんはどのように思われましたか?

まとめ

ハンターカブの製造元であるタイでも改修が始まったと聞きました。
しかし、タイから日本に逆輸入した車両は日本のリコール対象に該当しないようです。
ホンダのお客様相談窓口では「輸入業者が対応するのが筋」と回答がありました。
しかし、所有者が変わった場合などは対応してくれるようなので、困っている方は問い合わせされることをオススメします。
いずれにしろ、リコールとは国、メーカーが不具合を改善する必要があると判断している製品です。自分はもちろん、周りの車に迷惑をかけないように素早い改修工事を終わらせることが大切です。

企業側は改修工事が進むようにもっと工夫してもらいたいものです。

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生方 正
生方正(うぶかた ただし) 明治大学サービス創新研究所研究員 高校卒業後に海上自衛隊に入隊。 海上自衛隊で映像に関する部内教育を受けたのち写真員となり、インド洋給油支援活動、環太平洋合同訓練など多くのミッションに参加。 撮影した写真は、部内は元より、国内外の新聞、雑誌、TVに採用され、その功績により7度の表彰を受ける。 勤務の傍ら、各種節約術を駆使しながら貯蓄を行い、国内株式、金の現物買い、在日米軍に対する不動産投資等を実施することで「億」の資産を築く。  入隊時の目標であった「南極に行く」「幹部自衛官になる」「億万長者になる」をすべて達成した現在は、アーリーリタイアを遂げ、花粉の飛ぶシーズンは海外に所有する別荘に滞在。それ以外は各国を旅している(訪問国:7大陸33カ国)。 著作:「高卒自衛官が実現した40代で資産2億円をつくる方法」(あさ出版)、「攻めの節約」(WAVE出版) 朝日新聞社Webメディア「telling」にて『ミレニアル女子のための「新しいお金との付き合い方」101のルール』を連載。 オンライン授業Schooでお金に関する授業を担当。 会員数900万人 ママ向けメディア「ママスタセレクト」では、生活コスト削減コンサルタントとして節約情報を配信中。 テレビ出演:AbemaTV「AbemaPrime」、BS朝日「南極日和」 ラジオ出演:NHK第1「小藪とみちょぱのとりしらベイビー」他 多数 掲載:「PRESIDENT」「女性セブン」「SPA」「日刊ゲンダイ」「マネー現代」「からだにいいこと」「アゴラ」「小学館8760」「AERA」「家主と地主」他 多数 YouTube:「本要約チャンネル」「フェルミお金大学」「越境3.0」「隣の金持ち探偵団」「【特撮と投資】ルネ岩田」「時間管理の専門家 石川和男の 『ビジネスパーソン・チャンネル』」「【沖本るり子の大部屋『著者の本棚』」「インベスターズTV」「朝カツ大盛り!!YouTubeライブ」         

POSTED COMMENT

  1. モーモーさん より:

    確かに、リコールはきちんとしてほしいです♪
    車などはしょっちゅうあります。とほほ

    • 生方 正 より:

      おっしゃる通りですね!
      改善しないと自分はもちろん、他の車や通行者に迷惑をかけることになりますからね(汗)、

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