外国に滞在中に、歯が欠けてしまった、我慢できない痛みが発生したらあなたはどんな行動をとりますか?
先月、私が実際に経験したので、そのことについてお伝えしたいと思います。
1.バンコク滞在中に歯が欠けた!
ある日の夕食、魚のフライを食べたとき「ガリッ‥」
歯が欠けました。帰国するまで50日も残っているのに。
幸いにも神経治療をしていた歯だったので痛みはありませんが、欠けた歯のエナメル質の80%がなくなっているのを見れば医療知識の乏しい私でも、ただ事ではないことが解ります。
次の日、バンコク市内の歯科クリニックをネット検索するも、初めての試みだったため、どこを選んでいいのか判りません。結局は、良いレビューのついている日本語対応可能なクリニックを探しだしコンタクトを取りますが、その日は定休日。
仕方なく、病院の連絡先として明記してあるLINEに状況を書き込み早急に受診したい意思を伝えました。
幸い、受付の女性が休日にもかかわらず、夕方に返信をくれ、次の日の朝1番に予約を入れることができました。
初めての海外受診。現地の医療技術や衛生管理は大丈夫なのか不安でしたが、タイの医療技術は進んでいるようで、歯科においては日本よりも高い評価を受けているクリニックも存在しています。
私が訪れたクリニックの医師はタイ王国最難関のチュランコン大学卒。受付の医療事務員の話す日本語はネイティブ並み。クリニック内も清潔に保たれ、一台一台の診察台の間隔が広い上に、パーテションで区切られていました。
2.海外旅行保険でカバーされない、国民健康保険も使えない歯科治療
診察の後、レントゲン撮影をして問診を受けましたが、欠損した部分が大き過ぎ、歯の根っこの治療が済んでいたことにより、現地で打つべき治療はなにもないと診断されました。
治療費はB1300(約4700円)クレジットカードでの払い可能でした。
歯の治療は海外旅行保険でカバーされません。もちろん、日本の国民健康保険を提示したところで3割負担になることもありません。
受けた治療が日本が定める保険適用の範囲内であった場合、帰国後に協会けんぽ(全国保険健康協会)に請求することで自己負担相当額を除いた療養費を請求することが可能です。
そもそも、仕事や所要をやり繰りをして,やっと海外に着いたのに、歯が痛くてはエンジョイすることもできませんし、美味しい物を食べることもできません。
楽しい旅行を過ごすのには、詳細な旅の準備をするのと同様、出国前に余裕を持って歯科受診して口のコンディションを整えておくことが大切です。

3.海外のクリニックに通院して判ったこと
① ある程度の土地勘を持つ都市であっても、優良なクリニックを探し出し、予約を入れることは意外に骨が折れる作業である。
② すぐに受診したくてもクリニックの予約が一杯、定休日であれば受診できない。
③ 日本語対応可能スタッフがいない場合、英語で歯が折れた経緯や症状を医師に伝える必要がある、更に複雑な会話を成立させるためには、ある程度の語学力が必要。
④ 訪問国により医療レベルの差が大きい。医療技術の低い国に滞在中、医療行為を受けることは大きなリスクとなりえる。
⑤ これらのリスクを避けるためには、日頃から健康に留意しておくことが大切。
今回、私の歯が折れた原因は固いナマズの骨を噛んだことにあります。もちろん、長年使用した劣化も重なってのことだと思います。
海外では、普段食べなれていないモノを食べることになります。それが旅の醍醐味でもありますが、歯が折れると上記のような面倒くさいことを引き受けることになります。
逆に考えたら、海外によく行く機会がある人は、上記をクリアできるように能力を高めておく必要があることになります。
まとめ
1. 歯科クリニックで治療を済ませてから出国する習慣をつける
2. 海外で歯科治療を受けても、旅行保険や国民健康保険は使えない
3. 土地勘のない外国で病院の予約や訪問、状況説明をするだけでも一苦労することになる
「現地で片付けなければならない仕事がある」、「2日後には他の国に移動することになっている」など、帰国できない状況下で治療もままならないシチュエーションも起こりえます。
海外で困らいためには、忙しさにかまけることなくお口の中のメンテナンスを定期的に実施しておくことに限ります。

出国前に歯を直して出かけるようにします。
歯石までとって下さい。